研究課題/領域番号 |
23656268
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研究機関 | 埼玉工業大学 |
研究代表者 |
巨 東英 埼玉工業大学, 工学部, 教授 (10255143)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 風力発電 / 非接触トルクセンサ / 安定化制御 / 回転振動 |
研究概要 |
[研究目的]微風から強風まで風力エネルギーを安定して取り出すことができるように、風車の出力軸に非接触トルクセンサを置き、トルクセンサの出力によってオルタネータ発電機の励磁電流を制御して負荷トルクを変える。微風時は負荷を軽くし、強風時は負荷を重くするような電子ガバナー制御を行なって発電可能な風力の範囲を広げることができる。本研究は非接触トルクセンサ(以下NCTセンサと呼ぶ)の出力によって励磁電流を制御して風力発電の安定化をはかるものであるが、突風のような瞬間的な風力変動にたいして高感度のNCTセンサを使って負荷トルクがダンパーとして作用するように励磁電流を制御することによって発電機のコギングトルクや蓄電池へのラッシュ電流を緩和させ、発電機や蓄電池を長寿命化させることも本研究の目的である。[研究実績概要]風力発電はクリーンな再生可能エネルギーであるものの変動が大きく安定した発電が得られないことが難点となっている。本研究は発電機に自動車用のオルタネータを用い、プロペラ代わりのモータと発電機の間に非接触トルクセンサを置いてトルクを測り、それによって発電機の励磁電流を制御することによって負荷トルクを制御し風力変動によって引き起こされる発電変動を抑制する制御方式について研究する。2011年度は風力トルクに対する負荷側の発電機トルク制御を試験できる風力試験装置と試験システムを製作し、風力トルクと励磁電流や負荷トルクの関係について試験し、安定化制御に必要となる制御パラメータを得た。2012年度は実際の風況に即した風力トルクを模擬して発電機負荷のトルク制御を行い、風力変動に対する発電の抑制効果などを試験する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2011年度は非接触トルクセンサを開発して,性能評価が完了した.また,風力トルクに対する負荷側の発電機トルク制御を実施し,試験できる風力試験装置と試験システムを製作し、風力トルクと励磁電流や負荷トルクの関係について試験し、安定化制御に必要となる制御パラメータを得た。以上のことより,2011年度の研究は,ほぼ計画の通りで進んでいると思う.しかし,2011年度には,研究発表が行わなかったので,2012年度に研究発表を積極に行う予定がある.
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今後の研究の推進方策 |
昨年度は風力試験装置を作成し,トルクセンサによって風力トルク変動を検出して発電機の励磁電流を制御することによって発電を安定化して取り出す制御方式について試験を実施した.本年度は,風力発電機とモータのトルクを測定して,実際の風力発電実験によって安定制御を実施する.また,瞬間的な風力変動を反映できる高感度のNCTセンサを使って負荷トルクのダンパー作用を向上するための励磁電流を制御する.そして,発電機のコギングトルクや蓄電池へのラッシュ電流を緩和させ、発電機や蓄電池を長寿命化させる.
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次年度の研究費の使用計画 |
(1)600W型小型風力発電機への非接触トルクセンサの組み込み(2)風向・風力など無線データロガーによるデータ収集(3)2011年度に製作した風力試験機を用いた安定化制御試験
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