研究概要 |
本研究はランダムに変動する風力エネルギーを安定してとりだすために非接触トルクセンサを開発し、風車トルクに発電機トルクが追従するように発電機のベクトル制御や励磁電流などをトルク制御することによって風車の回転を安定させ、小型発電機の電圧や周波数などの発電機出力を安定させる研究開発を行った。 本研究は、非接触トルクセンサの検出として、強磁性体軸の捩じりトルクTを加えると表面の45度方向には張力+σと-45度方向に圧縮力-σ2がはたらく現象を利用する。そして、磁歪の逆効果によって透磁率は応力に比例するので、プラスマイナス45度方向の透磁率の差はトルクに比例する。軸表面の透磁率を非接触磁気ヘッドによって測定すると磁気ヘッドの方向の応力に比例する。本研究の検証により、この比例関係が確認された。また、トルクを測定する際、測定軸の透磁率にくらべヘッドの透磁率が大きく、ギャップが狭く一定のときはヘッドのインダクタンスは被測定軸表面の透磁率に比例し、L=kμ(σ)と表される。+σ方向に配置されたヘッドコイルL1と-σ方向のヘッドコイルのインダクタンスL2の差は軸に加えられたトルクに比例する。発振器とブリッジ接続されたL1、L2の中間電圧とr1、r2の中間電圧の差を同期検波された出力はトルクに比例し,V=kTである。本研究の開発より、この現象が明らかに検証された。 さらに、平成24年度の研究では、昨年度の試験に用いた自動車のオルタネータがあれば界磁コイルに外部から電流を流すことで発電量を制御できたが、この風車の場合は永久磁石型であるため界磁の制御ができない。したがって本研究は,発電を制御する方法として出力の負荷を制御することによって、風車(WF600)を使って、出力の負荷抵抗をスイッチで切り替えて風車の回転に対するブレーキの効果を吐き出した.2台の風車を制御した結果,安定な発電量の制御が実現された。
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