研究課題/領域番号 |
23656269
|
研究機関 | 公益財団法人九州先端科学技術研究所 |
研究代表者 |
寺岡 章人 公益財団法人九州先端科学技術研究所, その他部局等, 研究員 (80590273)
|
研究分担者 |
有田 大作 公益財団法人九州先端科学技術研究所, その他部局等, その他 (70304756)
木室 義彦 福岡工業大学, 情報工学部, 教授 (30205009)
家永 貴史 福岡工業大学, 情報工学部, 助教 (00393439)
|
キーワード | 搭乗型移動ロボット / 生体情報 / 不安関数 |
研究概要 |
人は、搭乗型移動ロボット(車いすロボット)に安心して乗れるのだろうか?その不安を解消する一つとして、ロボットの自動運転時の信頼・安心技術の確立、向上が挙げられる。人が安心して快適に搭乗型移動ロボットで目的地に向かうためには、どのような移動条件が、安心感と関連するのかを調査した。各種、生体情報から、搭乗者が不安に感じる要因を絞り込み、人が不安に感じる移動条件の閾値を求め、不安関数を算出することを本研究の目的とする。 まず、不安の要因となるストレスを計測するため、搭乗者の生体情報をリアルタイム、かつ、ワイヤレスで観測できるようにした。また、搭乗者が不安に感じた瞬間に、手持ちのボタンを押すことで、その時点での車いすロボットの移動条件が求まるシステムを構築した。 実験は、環境の影響を受けないよう、周りに障害物がない広い空間で、かつ、目標とする壁から十分に離れた場所を起点とし、終点となる壁に向かって車いすロボットを直進させる。車いすロボットは等速度運動で壁に近づいて行くが、壁に衝突するぎりぎりの距離にならないと、自動でブレーキがかからない。搭乗者は壁に近づくにつれ、車いすロボットが減速しないので、不安に感じる。不安に感じた瞬間、手持ちのボタンを押すと車いすロボットのブレーキがかかり、安全に停止する。その時の移動条件と生体情報、実験前後の内観報告を元に、不安関数を求めた。 その結果、候補となる不安関数が求まったが、不安を感じる個人差は大きかった。生体情報では、皮膚電気活動を求め、多くの搭乗者がボタンを押した直後にストレスによると考えられる精神的発汗が現れた。また、心拍変動では、実験開始直後にストレスが原因と思われる現象が見られた。 今回の研究で不安関数を求めるための基礎ができた。今後は、様々な条件下で実験を行い、搭乗者が安心して、快適に移動できる搭乗型移動ロボットの構築を目指す。
|