研究課題/領域番号 |
23656271
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
黒江 康明 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (10153397)
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研究分担者 |
飯間 等 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (70273547)
森 禎弘 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (40273544)
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キーワード | ダイナミカルシステム / 解析・設計 / システムモデル / アルゴリズム / ハイブリッドシステム |
研究概要 |
システムの解析、設計における通常のアプローチは、対象に対してまず適切な数学モデルを構築し、それをもとにして解析、設計法を導くというものである。ところが、近年、取り扱うべきシステムが大規模、複雑化し、そのようなシステムに対しては、解析、設計に用いることができる数学モデルを導くことが非常に困難となっている。一方、最近の計算科学の発展により、システムをシミュレーションする技術が著しく発展しており、様々なシステムのシミュレータが開発されるようになってきた。本研究の目的は、シミュレータを対象システムのモデル、すなわちアルゴリズムで表されたモデルとして捉え、これを対象としてダイナミカルシステムを解析、設計する方法を開発することである。 まず問題を具体化するため対象のシステムを、筆者がこれまで取り組んできている、ハイブリッドシステムとしてモデル化できるパワーエレクトロニクスシステムと遺伝子ネットワーク、およびカオスシステムなどとした。これらに対し解析においては特に安定解析、動作モード解析の問題をとりあげ、また設計においては、種々の問題を最適化問題として定式化し、それを解くためのアルゴリズムを対象のシミュレータを用いて直接導く方法として実現する方法を開発した。また他のアプローチとして、強化学習を導入し、モデルを学習によって獲得することによりシステムを設計する方法を開発した。この方法は対象の数学モデルを必要とせず、シミュレータすなわちアルゴリズムモデルだけをもとにして設計できる方法となっている。 また、以上で得られた方法を、広く一般のシステムの解析、設計の方法論として展開するための基礎的な検討を行い、一般的な方法論としての道筋を探った。その結果、これら二つのアプローチを融合させることにより、より一般的な方法論となりうるとの知見が得られ、今後この方向での検討が必要であることが明らかになった。
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