本研究では,制御手法の一つである内部モデル制御(IMC)とデータ駆動型アプローチを統合したデータ駆動型IMCの考え方に基づいて,学習支援システムの構築について考察した。具体的には,教員と学習者で構成されるコラボレーションを一つのシステムとして捉え,教員に代わる学習支援システムの中に,学習者モデルを構築し,これを内部モデルとするIMC系を構築した。学習者は一種の非線形システムと捉えられるため,学習者モデルを「データ駆動型アプローチ」を導入した。さらに,学習支援度調節部が備えられており,学習者モデルの逆システムに相当する部分とフィルタによって構成している。このとき,フィルタの設計は学習支援度に大きく関係しているので,フィルタパラメータの調整に「1-パラメータチューニングによるパフォーマンス駆動型アプローチ」を導入した。 構築した学習支援システムの有効性を,大学(教育学部)におけるアルゴリズム学習のにフローチャート作成に適用し,学習者に対する最適な支援の可能性について検討した。この研究成果については,国内の学会(日本教育工学会),ならびに国際会議(情報技術と教員養成のための国際会議)において発表した。
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