研究課題/領域番号 |
23656285
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
京谷 孝史 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00186347)
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研究分担者 |
加藤 準治 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00594087)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | トポロジー最適化 / 複合材料 / 材料非線形 / 繰り返し荷重 / 靱性 |
研究概要 |
金属やコンクリートをはじめとする建設材料の破壊メカニズムは,概ね解明されているといえるが,蓄積された経験則をもってしても材料の破壊や破壊後の挙動を思い通りに制御することはできない.そのため,本研究では構造最適化手法という数学的アプローチを用いてそれを可能にする手法の確立を目的とする.ここでは,近年盛んに使われる低降伏点鋼制震ダンパーを例に挙げ,その材料降伏後の挙動を適格にコントロールすることで,そのエネルギー吸収性能を最大にする最適化手法を開発する.これらの条件から,本研究では材料の非線形特性を考慮した解析に構造最適化を実装する複雑な問題となる.また,最適化計算の中で最も重要な感度の導出については,いかに高精度の感度を導出できるかが信頼性のある最適解を得る鍵となるため,研究当初からそれついて慎重に検証していく必要がある.上記を踏まえ,当該年度の成果は,(1) 数値計算機の環境設定,(2) トポロジー最適化プログラムの実装,(3) 複合材料を考慮した最適化プログラムへの拡張,(4) 材料非線形(損傷モデル)を用いた最適化手法の開発である。上記の(2)および(3)については線形材料を対象としたトポロジー最適化のプログラムを作成した。また、具体的な計算モデルで試し、作成したプログラムの検証を実施した。上記(4)については,現段階で感度の精度を検証するために,非線形材料モデルには損傷モデルを使用している.ここでは,精度のよい感度が得られており,これを弾塑性モデルに拡張している段階である.また、弾塑性の材料モデルについては標準的なものを想定しているが、今後大ひずみが考慮できるものへと拡張することも念頭に入れ、理論の確認を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね順調に研究を遂行できている.しかし,弾塑性モデルを考慮した最適化問題は数値計算量が膨大であるため,よりハイスペックな計算機の使用があれば研究をさらに効率化できるものと考えられる.ちなみに、本研究は既往の研究から継続的に実施している箇所もあり、5月に参加した学会では本研究に関連する事項やその手法についても同時に発表した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,低降伏点鋼を考慮した材料非線形モデルの本格的な導入と,大規模計算の実行である.ここで使用する材料モデルについては,従来の一般的な塑性モデルのみならず,幾何学的非線形特性を考慮したモデルにも挑戦する.また,随時感度の高精度化を検証しながらプログラムを実装する.
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費支出については研究計画書に従い,さらに研究の効率化を図りながら遂行する予定である.
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