本年度は、初年度での論理展開とその体系化を完了した解法、ツールなどを統合してシステム化するとともに、人工的な損傷を導入した模型橋梁を利用した実用化のための実証実験を繰り返した。具体的な成果を以下に示す: 1.論理検証および実証実験の実行:数値シミュレーションによる解析結果を図表化して提案手法の全体的なロジックの最終検証を行った。また、人工的な損傷を導入できる橋梁模型を利用した綿密な室内実験を繰り返して実施し、本提案手法で新たに開発したカーネル関数法、多スケール概念、FSWTおよび統計確率検証法を組み合わせた橋梁の状態評価を妥当性、精度、安定性などを明らかにした。 2.実用化の検討:2年間にわたる研究成果を、日本およびフィンランド両国の模型橋梁、実橋梁に適用して実用化のための各種検証試験を行い、国内外での発表を通じて利用を促進するとともに、国際会議などを開催して広く普及した。
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