• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実施状況報告書

地盤工学を対象とした初級エンジニアリング・デザイン教育科目の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23656295
研究機関岐阜大学

研究代表者

本城 勇介  岐阜大学, 工学部, 教授 (10251852)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード地盤工学 / デザイン教育
研究概要

次の点を,実施した.(1)全体カリキュラムの中で,学生が身につけるべき能力(Competence)をRubricにより再整理し,その中でデザイン科目が担う役割を明確化することを試みた.(2)デザイン科目により達成する学生のCompetenceと,その方法についてRubricにより分析・吟味する.(3)地盤工学教育の観点から,学生のCompetenceを分析し,デザイン科目で育成すべき部分をRubricにより明確化する.(4)ミューヘン工科大学を国際会議で訪問した際に,デザイン教育について調査した。(5)今年度前期の「堤防の整備計画」に関する課題を,上記諸観点を踏まえ改良した.この課題は,デザイン教育科目として相当程度完成度の高いものとなった.その概要を次のとおりである. 3種類の異なる背後地(水田地帯,郊外住宅地,市街地)を貫いて流れる河川を想定し,その河川堤防の信頼性を浸透解析と安定解析により評価し,洪水による被害額や数種の堤防補修法を示し,予算制約の中で複数年に渡る河川改修計画を作成させる.(以下,1回分は連続した2コマ,180分)1回:資料を示し,課題を詳細に説明する.FT(Failure Tree)によるハザートシナリオ分析.演習,宿題出題.2回:土構造物の浸透解析と円弧滑り解析の復習とソフトGUSLOPEの説明.演習.宿題出題.3回:R言語による統計解析概要.回帰分析とMCS(モンテカルロシミュレーション)による信頼性解析演習,宿題出題.4回:年最大洪水量の統計解析.洪水量と水位の算定.洪水による被害額算定.費用便益分析.宿題出題.5回:全体を通しての質疑応答.レポート作成とプレゼンについての注意事項復習.6回:各班による予行プレゼンテーション.相互の評価と意見交換.教員・TAのアドバイス.7回:全体成果発表会.相互評価,レポート提出.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1年目の目標として,相当程度目標を達成した(80%以上).デザイン科目として適切な科目を目標通り,1セット作成することができた.ルーブリックを用いた科目の位置づけでは,十分満足の行くマトリックスは作成されておらず,さらなる検討が必要である.また海外調査も,ミューヘン工科大学一例にとどまった.これは,学科長という管理職にあったため,海外出張が大幅に制約されたことも障害となった.

今後の研究の推進方策

下記の課題を推進する.(1)検討の課題,「長大水路の液状化防止対策の立案」という新しい課題を開発する.これは,次のような課題である.これは延長12kmの既存の用水路の地震時液状化対策の優先順位を作成する問題である.(以下,1回分は連続した2コマ,180分)1回 課題の説明と班分け.資料説明とFTによる全体シナリオの構成.2回 入力地震動とSHAKEの説明と,液状化の判定.3回 Rによる回帰分析と液状化判定の不確実性解析.Kriging.4回 被害額,液状化対策工と費用.5回 全体を通しての質問,レポート作成とプレゼンについての注意事項復習.6回 各班による予行プレゼンテーション.相互の評価と意見交換.アドバイス.7回 発表会と相互評価.レポート提出.(2) ルーブリックスの高精度化と,学生の達成度評価に関する方法の改良・確立.(3) デザイン教育に関する情報を収集・整理(外国調査を含む),体系化を図る.(4) 作成した2課題の公表.

次年度の研究費の使用計画

物品費,人件費,その他には特に特筆すべきことはない.調査のための外国出張を実施する.最近はアジアの大学,特にシンガポール,香港,韓国,台湾などでもこの種の教育が試みられており,調査の対象としたい.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] 調査地点を考慮した線状地盤構造物の液状化危険度解析2012

    • 著者名/発表者名
      大竹雄,本城勇介,小池健介
    • 雑誌名

      地盤工学ジャーナル

      巻: Vol.7, No.1 ページ: 283-293

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 応答曲面を用いた実用的な地盤構造物の信頼性設計法-液状化地盤上水路の耐震設計への適用2012

    • 著者名/発表者名
      大竹雄・本城勇介
    • 雑誌名

      土木学会論文集C,

      巻: Vol.68, N0.1 ページ: 68-83

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2013-07-10  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi