地盤工学を中心とし、特に土木計画分野と連携した学部3-4年生を対象とした、初級デザイン教育を実施する科目の内容を開発することを目的とする研究である。特に、デザイン教育のカリキュラムの中の位置づけ、学生に達成させるべき目標の明確化、達成度を計測するツールなどを綿密に規定・開発する。地盤工学の重要な構成要素である、工学的判断力を養い、解が唯一ではなく、複数の知識の総合化が必要であり、時間やコストの制約を考慮し、倫理的な判断も必要とされ、またチームワーク力やコミュニケーション力が養われデザイン科目にふさわしい課題を作成した。特にこの研究では、学部3-4年生を意識し、このようなデザイン科目の初級段階のもの(A first course in engineering design)に焦点を当てた。合わせて,機会あるごとに諸外国のデザイン教育に関する情報の収集を行った. 下記2つの課題に関するデザイン科目の課題を作成し,実際に実施した.すなわち,(1)長大水路の液状化防止対策の立案.(2)上下流関係を考慮した堤防整備計画の立案. いずれの課題も,複数の知識を総合し,唯一の解のない複雑な問題を,時間的な制約の中で,チームワークを駆使して問題の解決に当たらなければならない課題であり,最後にはプレゼンを行わせた. この他,シンガポール,ドイツに出張の際,デザイン教育について情報を収集した.また,アメリカ土木学会(ASCE)のデザイン教育について有用な文献を入手した.この海外調査の動向については,2013年1月18日に芝浦工業大学(豊洲分校)で開催されたJABEEワークショップで発表した.
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