研究課題
長大な構造物の浸水箇所や空洞発生個所を同定する、常時モニタリング方法を開発することが本研究の目的である。そこで地中に埋設した伝送線路によって形成される、長延長の閉回路中を伝播する高周波信号の反射特性から、延長上の水浸箇所や空洞化個所を検出する「閉回路レーダー法」を発案した。 平成23年度には、「閉回路レーダー法」を実現する装置の検討を行い、平成24年度に室内模型実験によって原理の確認を行った。実験では延長10mの模型土槽中にマサ土からなる模型地盤を作成し、伝送線路として平行フィーダー線を埋設した。その一部を浸水や露出させることにより、浸水・空洞の発生を模擬した。その結果、空洞の長さが5㎝程度となると、空洞形成箇所に反射係数のピークが現れた。更に空洞の長さを2mまで拡大すると、土から空洞、空洞から土と伝送線路を取り巻く材料の変化点で反応が生じ、双峰型の応答が得られた。延長上に複数の空洞が形成された場合には、始点から離れるほど反応が弱くなるものの、空洞箇所では反射係数のピークがみられた。これらの結果から、地中に伝送線路を埋設しその中を伝播する高周波信号の反射特性を計測する「閉回路レーダー法」によって、護岸、堤防、盛土、斜面などの浸水箇所や空洞発生箇所を検出できることが確認できた。静電容量型水分計による現場計測も行った。石川県小松市川野辺町地内において,国土交通省北陸地方整備局金沢河川国道事務所の協力により,梯川の川野辺樋門付け替え工事に合わせて,静電容量型土壌水分計10個を設置した.周辺工事の影響もあり,試験測定のみの状況であるが,2013年5月から長期測定開始の予定である.また,測定開始直後はSDカードに記録する従来タイプのロガーで実施するが,現在無線や携帯電話回線を用いた通信の検討を室内で実施しており,システム構築後はリアルタイム測定に移行する予定である.
すべて 2013 2012
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件)
Proc. of 10th MGDA(Mitigation of Geo-Disasters in Asia)
巻: - ページ: 33-40
Proc. of the international workshop on ICT in Geo-Engineering, JGS committee on ICTGE
巻: - ページ: 69-76