研究課題/領域番号 |
23656304
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研究機関 | 愛知工科大学 |
研究代表者 |
安田 孝志 愛知工科大学, 工学部, 教授 (10093329)
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研究分担者 |
吉野 純 岐阜大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70377688)
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キーワード | 集中豪雨 / 局地豪雨 / ゲリラ豪雨 / 降雨予測 / モデルアンサンブル予測 / 降水過程 / ビンモデル / データ同化 |
研究概要 |
10km間隔の雨量計データの解析により,集中豪雨の実体が非常に強い不安定による降雨域の時空間的集中現象であることを明らかにし,1時間内の予測に対して本研究において開発した画像解析的手法が有効であることを明らかにした.この画像解析的手法は,任意の対象地点での降雨量の時間変化を降雨域の剛体運動的並進と生成・消滅・拡大・縮小などによる複雑変化に分け,後者による降雨域の時間変化を画像解析的に予測するものである.これによって,20mm/h超降雨の40分先予測に対して気象庁降雨ナウキャストの精度を上回る高確度予測が達成できることを実証した. ついで,この手法を用いて集中豪雨の予測を行うため,多数の豪雨事例に対して本手法を適用し,詳細な精度検証を実施した.その結果,本手法を適用したとしても,依然として幾つかの事例で空振り誤差が大きいことが明らかとなった.降水域が地形等の影響を受けて過去1時間内に急激に拡大および縮小を繰り返すような非線形な時間変化を示す場合には,空振り誤差がより拡大しやすいものと推察された.そこで,このような空振り誤差の拡大を抑制する手法を開発するため,空振り誤差の原因について検討を行い,豪雨においては降雨域の複雑変化のスピードが速く,スピードへの対応が必要になることが分かった.そのためには,より直近の変化を学習する必要があることが明らかとなり,従来の降水ナウキャスト(10分間隔)よりも時間解像度の高い降水ナウキャスト(5分間隔)を入力条件として用いることにした.そのようにして,本手法を豪雨事例に適用した結果,より詳細な降水域の変化を捉えることが可能となり,従来の降水ナウキャスト(10分間隔)を上回る精度が得られることが明らかとなった.
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