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2012 年度 実施状況報告書

自己通電によってヘドロ内有機物を分解する技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23656306
研究機関広島大学

研究代表者

日比野 忠史  広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50263736)

キーワードMFC / ヘドロ / 浄化 / 発電 / 実用化 / シンプル / 安価 / 高B/C
研究概要

本年度は「発電装置の運転に伴う局所的な有機物の分解機構の把握とSMFCによる有機物質の溶出抑制の効果について実証する。」ことを重点にして実施した。
ヘドロ燃料電池(ヘドロを燃料として発電する微生物燃料電池)を技術移転するための、①劣悪な環境下でのヘドロから実用的な電力量を回収できること、および②発電された1.7V(20mA)の電力を家庭電圧にまで上昇させることを目標に研究を行なった。①の課題のため、①-1水没、干水を繰り返す厳しい環境下にある河岸のヘドロ堆積場において実用的な電力を継続的に回収できること、①-2小型化された発電装置単独で携帯電話等の電源となる装置の開発、②の課題のため、②-1物理的に不可能と考えられるヘドロのみから高い電圧を回収できるメカニズムを明らかにすること、②-2ヘドロ燃料電池により回収された電力を家庭電力(100V)まで上昇させる基本技術の開発を行うことを実施した。
上記の開発を理論的に行なうための電圧モデルを構築し過電圧に対する3つの電圧損失の寄与度を明らかにすることで実験の必要数を多幅に削減することができることを明らかにした。SMFCの分極特性は過電圧と限界電流密度を実験値から求めることができ、交換電流密度と過電圧、電気抵抗率と限界電流密度には一意的な関係がある。このことは形状評価が必要である分極特性を2つのパラメータで評価できることを示している。これらの特性からSMFCに適した材料と環境条件を少ない実験から推定することで過電圧の低下、SMFCのシステム化が容易になる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

24年度完成予定であったSMFCSによるLEDの点灯は23年度に完成したため、計画は半年程度前倒しとなった。

今後の研究の推進方策

ヘドロ燃料発電システムの技術移転(実用化)を可能にする具体的な目標として、河岸に堆積するヘドロから電気をとり出して街路灯を点灯すること、緊急時の備えとしてヘドロ燃料電池により携帯電話の充電が行え、かつ、通電しながら携帯電話の使用ができることを目指す。さらに、ここで開発されるペンシルタイプの燃料電池は単体で浄化装置として使用することも目標に加え,ヘドロ燃料電池によるヘドロ浄化範囲の拡大法を確立する。

次年度の研究費の使用計画

消耗品費(20万)は主に室内実験用機材(実験水槽、データロガー、抵抗器、ダイオード、イオン交換膜、カーボンクロス(電極))が使用目的である。実験水槽はさらに20個増設を予定しており、実験水槽の作製を消耗品として計上している。有機泥の浄化量を見積もるための有機物分析(外注20万)を予定している。
有機泥の性状に関する情報交換と情報収集のための海洋開発講演会等の参加として旅費(20万)を申請する。
現地での状況を忠実に再現するため、段階ごとに堆積有機泥の採取が必要であり、その他(10万)は広島県内での有機泥の採取のためのレンタカー等を予定している.謝金等(10万)は、主に有機泥の泥質分析作業に使用される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] ヘドロを浄化し電力を回収する微生物燃料電池の実用化2013

    • 著者名/発表者名
      日比野忠史
    • 雑誌名

      技術総合誌OHM

      ページ: 4-5

  • [雑誌論文] 微生物燃料電池を用いた還元性有機泥の酸素消費抑制2012

    • 著者名/発表者名
      上野耕平,岸本健嗣,TOUCH NARONG,日比野忠史
    • 雑誌名

      土木学会論文集B2(海岸工学)

      巻: Vol. 68 ページ: 1201-1205

    • DOI

      http://dx.doi.org/

    • 査読あり

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公開日: 2014-07-24  

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