生物多様性オフセットが我が国に導入される可能性を見越して,公共事業のマネジメント・プロセスのあり方について検討した.第一に,ドイツの道路事業の計画策定プロセスとの対比から,我が国における構想段階での環境配慮手続きのあり方について批判的に検討した.構想段階に環境配慮手続きを上乗せ的に導入するだけでなく,現行の事業段階の環境影響評価の見直しが必要であることを指摘した.第二に,都市経済分析により,生物多様性オフセットの導入が都市内土地利用や社会的厚生に与える影響を明らかにした.第三に,土地制度の変更が都市内土地利用や生物多様性に与える影響について実証的に明らかにした.
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