研究課題/領域番号 |
23656312
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
倉内 文孝 岐阜大学, 工学部, 准教授 (10263104)
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研究分担者 |
SCHMOECKER J.D. 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70467017)
嶋本 寛 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (90464304)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 交通ICカード / 規則性 / 順応プロセス / 時系列解析 / 変動 |
研究概要 |
本研究は,近年普及が著しい交通カードデータを活用することによって,個人単位で交通変動の規則性と不規則性の理解をつとめるとともに,大きなインパクトが起こった際の順応プロセスを解析し,その理解につとめることを目的とする. 交通行動における規則性を理解することは,交通需要予測の不確定変動分の減少に寄与し,より確実な交通サービス提供につながることが期待される.また,順応プロセスを理解することによって,新規交通サービスの展開やあるいは撤退における戦略を議論することが可能と考えられる.研究初年度である平成23年度には以下の検討を行った.(1)人間行動の規則性および順応プロセスに関する文献調査:分野にこだわらず人間行動の規則性や順応プロセスに関する先行研究を調査し,研究の方向性を検討した.(2)交通ICカードの活用に関する調査:国内外の交通ICカードの活用方法において様々な活用事例を調査し整理した.その結果,特に交通需要の把握に関して様々な検討事例があることが明らかになり,また個人の行動追跡事例も海外事例として見つけることができた.これらの検討結果を参考に,平成24年度の研究を進めることとする.(3)交通ICカードデータ解析に基づく行動の規則性の理解:ETCカードデータ,OystercardデータおよびAYUCAデータを活用し,行動の規則性の存在に関する基礎的検討を行った.規則性行動の割合やその規則性の分類,比率などを通じて,どの程度交通変動がとらえられるかについて検討を進めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究初年度である平成23年度においては,国内外の文献調査を主に実施した.その結果,交通ICカード分析の可能性や課題を明らかにすることができた.また,ほぼ月1回の研究ミーティングを開催し,意見交換することで円滑に研究を進めることができた.
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度においては,平成23年度の文献調査や基礎検討により明らかになった知見を参考に,交通ICカードデータを用いた交通行動の規則性の統計学的検証や順応プロセスのモデル化を進める予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度も,本年度同様に月に1回ペースで研究ミーティングをすすめることとし,そのための経費を計上する.相対的に多く旅費を計上している.また,分析の際の図表作成などに際する謝金を計上している.その他は,研究を進めるためのコンピュータ関係の消耗品購入のための物品費を計上している.
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