研究課題/領域番号 |
23656322
|
研究機関 | 高知工科大学 |
研究代表者 |
熊谷 靖彦 高知工科大学, 地域連携機構, 教授 (10368855)
|
研究分担者 |
朴 啓彰 高知工科大学, 地域連携機構, 客員教授 (60333514)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
キーワード | 振動覚 / MRI |
研究概要 |
本研究の目的は高速道路の逆走行防止や中山間道路等の狭隘道路の行き違いの安全確保の手法として、動的かつ方向性を有した振動を通じて警告する手法を新たに開発することである。そのため、23年度は仕様検討とその仕様に基づく機器試作の準備や評価手法の検討及び被験者事前検査を行なった。特に問題となっている高齢者による高速道路の逆走事故はその実態と、既に導入されている「逆走防止装置」の課題や事故の実態及び情報提供装置の実態等を調査した。又、海外の事例もITS世界会議(2011年10月16日~20日、於米国オーランド)への参加等を通じ情報を得た。一方、朴客員教授によりMRIデータと運転との関係を調査した。これらの調査から幾つかの事が明確になった。(1)ドライバーへの路上設備を通じた情報提供は殆どが視覚に訴えるものである。(2)脳の白質病変と運転の反応速度との関連がある程度推定できた。(3)逆走者への警告は表示板を通じた視覚情報であるが、一部には見落としがある。 そこで、今後の超高齢社会の運転者への情報提供、特に逆走等の警告に関しては、視覚以外の提供が不可欠であると考えられる。視覚以外では聴覚と振動覚があり、警告等の非常に重要な情報提供は振動覚は重要と考えられる。車両運転時、運転者が振動を感じるのは、橋の継ぎ目が殆どであり、それ以外の場所では振動を感じる事は稀で情報量が多い視覚や聴覚に比べて有効であると考えられる。そこで、これらを確認する実験機器の仕様を検討した。当面は高速道路の逆走車への警告を考え、正常運転車へは振動を与えなく、反対方向のみが感じる、方向性を持たせた機器を考える。次いで、昇降機能付の動的な装置を検討する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定は二年度の実験に向けた諸準備を考えており、そのため関係者に対する調査等を行い、かつ実験機器の仕様等も決定した。
|
今後の研究の推進方策 |
実験装置を試作し、校内で実験を行う。その際、朴客員教授の行うMRIデータに基づく、白質病変の程度と振動覚の関連も調査するため、何人かの被験者を選択する。基礎的データ取得後、より実道に近い状況で実験を行う。
|
次年度の研究費の使用計画 |
主に、実験装置の試作費用と実験の諸費用(車使用料特に大型、被験者への謝金等)に充当する。
|