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2011 年度 実施状況報告書

同位元素電子顕微鏡イメージングによる超微粉炭の吸着機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23656323
研究機関北海道大学

研究代表者

松井 佳彦  北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00173790)

研究分担者 松下 拓  北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30283401)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード環境技術 / 環境材料 / 土木環境システム / 反応・分離工 / 水資源
研究概要

本研究では,吸着剤をコロイド領域(粒径1 m以下)に超微粒度化することによって発現する吸着容量の増加のメカニズムを,安定同位元素電子顕微鏡イメージング技術を用いて,解明する.本年度は,水素元素(H)の代わりに同位体元素である重水素元素(d)を含んで合成されたジェオスミンと2-メチルイソボルネオールを調整し,これらを純水中でヤシ殻活性炭に吸着させ,活性炭粒子内部における吸着量分布を,同位体顕微鏡システムを用いてd / H同位体比の3次元分布イメージングとして「ありのまま」に可視化し,定量した.その結果,d / H同位体比の値が活性炭の内部に比べて外表面の方が高いことが示され,ジェオスミンと2-メチルイソボルネオールは活性炭粒子の外表面付近に主に吸着していることが世界で初めて示された.活性炭粒子を微粒度化するとジェオスミンと2-メチルイソボルネオールなど一部の物質については吸着量が増加することが分かってきたが,この理由として活性炭粒子外表面へ吸着量の偏在が明らかになってきた.これらの成果は平成23年度末までに得られたことから,学会等へは未発表である.平成24年度の学会で発表し,論文も執筆予定である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

微粒度(約10ミクロン)の活性炭粒子の内部のどこに,ジェオスミンと2-メチルイソボルネオールが吸着しているかを,同位体顕微鏡を用いて,安定同位体比として明らかにすることができた.低分子のジェオスミンと2-メチルイソボルネオールであっても活性炭粒子の外表面付近に吸着していることが分かってきた.このように計画通りに研究が進に,新規な知見も得られつつある.

今後の研究の推進方策

測定を行えた活性炭は1種類のみであったことから,まずは計測回数と種類を増やし,結果の信頼性を高める.さらに,活性炭粒子の外表面付近の吸着を定量モデルとして,吸着領域の厚さδを導入した,Shell adsorption model:SAM)を用いて,吸着領域の厚さの定量解析を行う.ジェオスミンと2-メチルイソボルネオール以外に,疎水性の異なる化学物質を用いて実験を行い,活性炭外表面付近で吸着が生じている物質のメカニズムを議論する.

次年度の研究費の使用計画

23年度未使用額の発生理由:ガラス器具購入を節約したため上記未使用額の24年度での使用予定:同位体顕微鏡使用料

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公開日: 2013-07-10  

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