研究課題/領域番号 |
23656329
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西村 文武 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60283636)
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研究分担者 |
津野 洋 大阪産業大学, 人間環境学部, 教授 (40026315)
日高 平 独立行政法人土木研究所, その他部局等, 研究員 (30346093)
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キーワード | 生分解性プラスチック / 嫌気性消化 / ポリ乳酸 / メタン発酵 |
研究概要 |
生分解性プラスチックであるポリ乳酸を、バイオリアクターにより連続メタン発酵し、実装化への基礎的かつ応用的知見を得るここと目的とした。組成がほぼ一定している人工生ごみを基質とした連続運転実験を行った。80℃で運転した超高温可溶化槽および55℃で運転したメタン発酵槽を組み合わせた連続運転を実施した。また対照系として55℃のメタン発酵槽のみの運転も行った。そして以下に示す知見を得た。 1) 80℃の超高温可溶化処理を導入した場合、PLA可溶化率を促進できることが分かった。 2) 超高温可溶化槽にアンモニアを添加することによってPLA可溶化率とメタン転換率の向上が見られた。 3) PLAと生ごみの混合消化を行うことで、PLAのみをメタン発酵した場合と比較して、メタン転換率の向上が見られた。 4) 処理の安定性においては高温可溶化槽を組み込んだM1+S1およびM2+S2系が優れていた。COD基準のメタン転換率は70~80%程度であり、PLA濃度は5~10 g/L程度まで低下し、コントロール系と比較して処理効率の優位性が見られた。さらにCST測定により、脱水性も向上することが示された。以上の成果から、本研究においては、超高温処理により、PLAが乳酸に効率的に分解され、メタンガス転換率が向上することが示された。また超高温可溶化槽を組み込んだ二段式嫌気性消化システムは、一槽式のシステムと比較してメタン転換率・COD除去率、PLA分解率およびメタン発酵汚泥の脱水性等が向上することが明らかとなった。超高温可溶化プロセスにより、有機性廃棄物のより効率的な活用、ひいては、温室効果ガス削減が期待できるものと考えられた。
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