研究課題/領域番号 |
23656330
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤井 滋穂 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (10135535)
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研究分担者 |
田中 周平 京都大学, 地球環境学堂, 准教授 (00378811)
原田 英典 京都大学, 地球環境学堂, 助教 (40512835)
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キーワード | 有機フッ素化合物 / 測定法 / 迅速・簡易化 / UV分解 |
研究概要 |
有機フッ素化合物は、一部は、POPs(残留性有機汚染物)として認識され、近年のその環境中での動態に高い関心が持たれている。その水試料の測定は、固相カートリッジによる濃縮と溶脱の後、LC-MS/MSによる分析が標準で、分析操作が複雑であること、測定装置自身がきわめて高価な上、測定のための消耗品にもコストがかなりかかり、工場排水などを日常的に監視するために、本法を用いることは、実際上困難である、 そこで、代表者らは工場廃水レベルの比較的高濃度試料を対象とし、有機フッ素化合物全量を比較的廉価な装置で、迅速に測定する手法開発を試みた。具体的には連続式自動測定機(オートアナライザー)をベースに、オートサンプラー、ペリスタポンプ、蒸留バス、UV加温分解槽、吸光検出機、システムコントローラーで構成され、試料に酸化剤(過硫酸カリ溶液)を加え、UV照射して分解させて有機フッ素化合物から生成されたFイオンを蒸留装置で精製濃縮の後、比色法でそのFイオンの濃度を測定する方法を原理とする。 本研究課題ではその実用性を検討するため、まず、上記装置の組み立て、6種類のペルフルオロカルボン酸PFCAs(PFBA、PFPA、PFHxA、PFHpA、PFOA、PFNA)を用いてその実用可能を調査した。その結果、実用可能性が認めれたので、その有用性を高めるため、(1)紫外線ランプ部種、(2)種々の有機フッ素化合物ごとの分解率、(3)pH条件、(4)酸化剤条件、(5)温度条件について検討した。その結果、UV254+185nmがUV254nmより効果があること、PFCAsには最大分解率70.6~90.0%(C鎖4~8のPFHxA~PFNA)で測定可能であること、pHは酸性なほど、酸化剤濃度は高いほど、高分解であること、温度65℃が適切であることなどの成果を得た。
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