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2011 年度 実施状況報告書

バイオフェントン法に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23656334
研究機関早稲田大学

研究代表者

榊原 豊  早稲田大学, 理工学術院, 教授 (80143204)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードバイオフェントン法 / OHラジカル / DEPMPO / ESR / 促進酸化処理 / 高度水処理 / ファイトリメディエーション / 水再利用
研究概要

連続培養槽を作製して異なる種類の植物を培養中である。培養植物内の過酸化水素濃度は0.1~1mM程度存在するが、フェントン反応に関する既往研究では数mM~数M程度と高濃度条件のものが多い。したがって、本研究では先ず、植物体内のように比較的に低濃度レベルでフェントン反応が進行するかについて、DMPO (5,5-Dimethyl-1-pyrroline N-oxide)およびDEPMPO(5- diethoxyphosphoryl-5-methyl-1-pyrrolineN-oxide)をスピントラップ剤として、電子スピン共鳴(ESR)装置を用いて検討した。その結果、無生物条件下(Fe=0.05 mM)で鮮明なOHラジカルピークが測定され、フェントン反応が進行することがわかった。この結果に基づき、植物抽出液にFe(II)鉄化合物のみを添加して同様な実験を行ったところ、DEPMPOを用いた場合に若干ではあるがOHラジカルと考えられるピークが検出された。鉄化合物を添加しない場合にはピークは検出されなかったことから、バイオフェントン反応が進行している可能性が高いと考えられた。ここで、無生物条件と比較してOHラジカルピークが減少した原因は植物抽出液内のラジカルスカベンジャーによるものと推察されるが、今後更に検討が必要である。一方、培養植物を用いて顔料オレンジIIの脱色実験を異なる鉄添加条件下で行った。ウキクサ(Spirodela polyrrhiza)を用いた実験では、初期Fe(II)濃度の増加につれ脱色量が増加する結果が得られた。現在、同様な実験および解析を継続中である。また、植物切片試料の観察から、過酸化水素濃度は維管束および細胞壁の表面近傍で高くなっていることがわかった。したがって、これらの箇所を中心にフェントン反応の解析を今後進める予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

フェントン反応によるOHラジカル生成、鉄濃度の影響、メカニズムに関する基礎資料が得られており、概ね順調に研究が進行していると判断される。

今後の研究の推進方策

連続処理実験を行い、バイオフェントン法の有効性を実証する。また、安定して汚染物質を浄化可能な操作条件を明らかにする。さらに、フェントン反応が進行する部位、反応速度を測定・解析して、浄化メカニズムを提案する。これらの知見をタイ王国で実施中の人工湿地を用いた共同研究に適用し、環境ホルモンや医薬品等の浄化能力について検討する。

次年度の研究費の使用計画

研究費の大半は連続実験に用いる装置の材料費および分析関連経費である。また、研究成果を発表するための旅費および資料整理等の人件費・謝金を必要とする。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] バイオフェントン反応の操作条件に関する基礎的検討2012

    • 著者名/発表者名
      久間有香子、榊原豊
    • 学会等名
      第46回日本水環境学会年会
    • 発表場所
      東洋大学(東京都)
    • 年月日
      2012年3月 14日
  • [学会発表] 電子スピン共鳴法(ESR)を用いたバイオフェントン反応の検討2012

    • 著者名/発表者名
      永橋祥一, Andre Rodrigues dos Reis, 榊原豊
    • 学会等名
      第46回日本水環境学会年会
    • 発表場所
      東洋大学(東京都)
    • 年月日
      2012年3月 14日

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公開日: 2013-07-10  

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