研究課題/領域番号 |
23656341
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中島 正愛 京都大学, 防災研究所, 教授 (00207771)
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研究分担者 |
松宮 智央 近畿大学, 建築学部, 講師 (20454639)
保木 和明 京都大学, 防災研究所, 研究員 (70599026)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 免震 / 病院 / 医療機器 / 鉛直動 / 人体機能 |
研究概要 |
耐震工学においてもなお評価が分かれる「鉛直動」と,近年その適用が増えている「免震医療施設」をキーワードに,施設内に設置された医療機器・家具の(上下)応答が鉛直動によってどのように増幅されるか,これら応答によって医療機器は損傷しうるのか、またこれら機器を制御する高感度センサー類は正常に作動しうるのか,さらに,未熟児保育器や新生児ベッドはどう揺さぶられそれが乳児の健康にどのように影響しうるのかを,実際の医療機器・家具に対する振動台実験と,それを補強する数値解析,人体ダミーを用いた振動台実験等に基づいて明らかにする.本研究は2年間でその成果を挙げることを目標に、当該年度は、典型的な医療機器が鉛直動を受けたときの応答増幅特性(特に加速度応答増幅)を一連の振動台実験から明らかにすることを射程とし、次の成果をえた。(1)中低層RC造免震建物に対する最上層階床応答特性(特に上下応答特性)を時刻歴応答解析から類型化した。(2)対象機器を、手術台、患者ベッド、保育器、人口心肺、自己血改修装置とし、これらを順次振動台に載せその固有周期特性を把握するとともに,一連の正弦波加振から対象機器の加速度増幅特性と減衰性能を明らかにした。(4)対象機器に対して,(1)の解析から得られた床応答を振動台への入力とした振動台実験を実施し,床応答から機器応答への増幅特性に関わる基礎データの収集を図った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画において、各種医療機器に対する振動台実験を計画していた。幸いにも外部からの協力と賛同を得て、複数の医療機器・施設を借り受け実際の振動台実験を実施することができたし、そこから、医療機器のもつ振動特性に対する定量情報を獲得できた。
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今後の研究の推進方策 |
前年度で得た実験結果を参照しつつ、対象医療機器の加速度応答倍率特性を分析するとともに、それを評価するための解析モデルを構築する。また人体ダミー人形を設置した医療ベッドや保育器に対する振動台実験を実施することから、医療ベッド・保育器と人体ダミー間の加速度応答倍率を明らかにした上で、人体への影響についても考察を深める。
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次年度の研究費の使用計画 |
人体ダミーを設置した医療ベッド・保育器に対する振動台実験費用に充当する。
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