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2011 年度 実施状況報告書

鋼材の表面強化による脆性破断防止手法の可能性

研究課題

研究課題/領域番号 23656342
研究機関大阪大学

研究代表者

崎野 良比呂  大阪大学, 接合科学研究所, 講師 (80273712)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2012-03-31
キーワード表面強化 / 脆性破壊 / レーザピーニング / 残留応力
研究概要

表面強化により、応力集中部からの脆性破壊を防止できる可能性を、基礎的実験により検討することが本申請研究の目的である。必要な部分のみを表面改質で強化できれば、部材全体を高品質な鋼材で作る必要が無く、Ni, Nb, Ti等の高価な添加元素の使用を減らすことができる。表面強化手法の一例として本研究ではレーザピーニングに注目する。レーザピーニングによる表面強化によって脆性破壊防止の可能性が示されれば、鋼材の部分的な強化による大型鋼構造物の補強というほとんど検討されていなかった分野の研究が注目され、さらに研究が広がると考える。 まずレーザピーニングの施工条件を検討し、ピークエネルギー200mJ-スポット径0.8mm-照射密度36Pulse/mm2と20mJ-0.3mm-360Pulse/mm2の2条件を選定した。 これらの条件によるレーザピーニングによって、構造用鋼材ではどのような影響があるかを、ビッカース硬さと残留応力の板厚方向分布の計測により明らかにした。その結果、200mJでの条件では1mm程度まで影響が見られるものの、20mJでは0.2mmほどと影響が浅い事が明らかとなった。ただし、表面の値は両者共に同じ程度である事が明らかとなった。 次に"表面強化による脆性破壊防止効果のパイロット試験"を行うためのジグと試験片の設計を行った。試験体として、角形棒鋼の中央部にシャルピー衝撃試験体に用いられているVノッチを加工した応力集中部曲げ試験体とした。これらにより予備実験を行ったところ、ジグのねじの切り直しおよびそれに伴う試験片のサイズ変更が必要であることが分かった。そこで、ねじの切り直しと本試験用の試験片新たな作成を行い、試験片のノッチ先端に選定した2条件でレーザピーニングを施工した。これにより、実験の準備はすべて整った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

予備試験によりジグの不具合が見つかり一部ねじを再制作したこと、それに伴い試験片の全長を短くする必要が生じたことから計画が遅れており、単年度の事業期間なので遅れを回復できなかった。 そこで、補助事業期間延長を申請し認められた。実験の準備は完了しているため、今年度内にすべて終了できる。

今後の研究の推進方策

計画した内容のうち、"表面強化による脆性破壊防止効果のパイロット試験"を実施する。 この実験により、脆性破壊発生の有無,脆性破面率,エネルギー吸収能力を比較し、単調荷重下でのレーザピーニングによる脆性破壊防止の可能性と照射条件の違いによる効果の違いを明らかにする。

次年度の研究費の使用計画

繰り越した未使用額は、パイロット試験の際に必要となる雑費として使用する。

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公開日: 2013-07-10  

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