本研究は,蒸暑地域における潜熱蓄熱材(PCM)を利用したパッシブ冷房壁体の提案と評価を目的とする。初めに,東南アジアの蒸暑地域住宅を対象としたアンケート調査と実測調査を行い,蒸暑地域における温熱環境やエネルギー消費の実態を明らかにした。次に,蒸暑地域における住宅の採涼手法として,PCMと夜間換気を組み合わせたパッシブ冷房システムを提案し,そのためのPCM入り銅フォームパネルの開発を行うとともに,住宅の縮小模型を使った実験によりその効果を確認した。さらに,PCM入り銅フォームパネルの最適設計やそれを利用した住宅の温熱環境予測のための,三次元伝熱解析プログラムを作成した。
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