本研究は、独自の実験装置を考案し、草地の雨水浸透能力の経年変化を実験的に実証考察することを目的とした。50cm×50cmの四角い桝型で、ひとつは底なし、ひとつは底ありの装置を作成し、それを草地(芝地)に設置し、その桝内に降った降雨からの流出を流量計によって計測し、比較することで、その土地の地下浸透能力の経年変化を探ろうと試みた。今回の実験では、当初から、適切な小流量の計測が可能で、かつ汚濁がある雨水に対して耐性のあるものが無く、自然降雨の実験では十分なデータが持続的に蓄積できなかった。そのために人工降水実験を行い、その経年変化の観測に切り替えた。草地の雨水浸透の季節変動が明確に観察された。
|