研究課題/領域番号 |
23656366
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
竹田 直樹 兵庫県立大学, 緑環境景観マネジメント研究科, 准教授 (20316037)
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研究分担者 |
八木 健太郎 西日本工業大学, デザイン学部, 准教授 (30352222)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | サブカルチャー / アイコン / アニメ / マンガ |
研究概要 |
《経済的側面に関する調査の実施》経済的側面から日本のアニメ作品の位置づけについて、調査を実施した。近年、特に地方を主とする日本の各地において、作品の舞台となった地域に対して熱心な作品のファンによる「聖地巡礼」といった社会現象を生みつつある。また、映画におけるフィルムコミッションのように、アニメ化に際して作品を誘致する動きも活発化している。こうした「ご当地アニメ」の実態について、文献を中心とする調査を実施するとともに、一部のアニメについては、当地における現地調査をあわせて実施した。(八木・竹田)《社会的影響に関する調査の実施》社会全般に対して大きな影響をもたらしているアニメの状況について調査を行った。平成23年度は、3月11日に発生した東日本大震災という未曽有の自然災害をふまえ、神戸市(阪神大震災)と石巻市(東日本大震災)の二つの被災地を対象としてとりあげ、アニメキャラクターのアイコンが、大規模な災害を通して市民に受容されていく過程についての研究を行い、その成果を環境芸術学会において発表した。(八木・竹田)《現地における事例調査の実施》東日本大震災の影響もあり、予定されていた調査を一部行うことができなくなったため、24年度に予定していた具体的な事例調査を、23年度に前倒しして実施した。具体的には新潟市、境港市、神戸市、東京都葛飾区、所沢市、大阪市において、都市に存在するアニメを始めとするサブカルチャーのアイコンをめぐる動態観察調査ならびに文献調査を実施した。(竹田・八木)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一部平成24年度に予定していた調査を前倒しして実施した部分がある一方で、震災の影響等もあり、ヒアリング等については平成23年度に実施が困難であり、延期せざるを得なかった部分もある。これら前倒し分と延期分がほぼ相殺され、全体としてはおおむね順調な進捗状況であると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度については、震災の影響もあり、研究代表者と分担者間の意思疎通がやや不足した部分があることは否めないが、研究の進捗状況としては上記の通り概ね順調であり、平成24年度に向けては本研究課題の遂行に対する震災の影響も解消する見込みである。一方で、平成23年度の研究を通して、震災によりサブカルチャーのアイコンが都市において新たな影響を生み出しつつあることが明らかになっており、こうした影響をあわせて研究計画を微修正すべき部分もあるが、今年度研究発表を行なっている通り、すでに修正を加えつつある。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度には、当初より計画しており平成23年度に調査できなかった事例の調査、ならびに、最近生じた新たな事例の調査に関わる旅費を使用する予定である、また、調査対象物周辺の人の動態調査に必要なビデオ装置の据付などに使用する材料に関わる物品費を使用する予定である。
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