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2012 年度 実績報告書

繊維状ナノ構造金属の応用開発:熱光起電力発電用吸収体・エミッター

研究課題

研究課題/領域番号 23656382
研究機関名古屋大学

研究代表者

梶田 信  名古屋大学, エコトピア科学研究所, 准教授 (00455297)

キーワードタングステン / ヘリウム / プラズマ / ナノ構造 / 放射率 / 熱光起電力発電
研究概要

直線型プラズマ模擬装置NAGDISにおいて,タングステンへのヘリウムプラズマ照射実験行いナノ構造を形成させ,その後形成されたナノ構造体の高温時の変化を調べた。また,温度とヘリウムフラックスを変化させ,形成に与えるフラックス依存性を明らかにした。
ヘリウムイオンを照射しながら,試料のバイアスをon/offさせることにより,温度とフラックスをコントロールし,同時に表面構造変化の指標として表面の光学反射率を計測した。温度が1300-1600 Kで,ヘリウムフラックスが平方mあたり1e21から1e22の間において,ヘリウムを照射しているにも関わらず光学反射率が回復してくる領域があることが明らかになった。つまり,ヘリウム照射時においても,ナノ構造の形成と,ナノ構造が修復していく領域があることが分かり,フラックスがある閾値以下になると成長しなくなる条件があることが明らかになった。
23年度の実験結果から,1400-1500 K以上になるとアニーリングが起こり,ナノ構造の形成が抑制されることが分かっているが,その結果に引き続き,耐熱性に関しては,1300 K程度まではよいものの,それ以上に温度に上げた場合には,十分な耐熱性が得られない可能性もあることが示唆された。タングステンのナノ構造体をエミッターとして利用する際には,1300 K以下の帝王で使用する必要があると考えられる。
また,タングステンではないが,ナノコーンの形成がヘリウムプラズマ照射によっておこることが明らかになり,その条件を明らかにした。ナノコーンにおいては,より耐熱性を持つ可能性があるため,今後タングステンなどの高融点材料においても,ナノコーンが形成される条件を特定することが重要であると考えられる。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Low-energy helium irradiation on in-vessel mirror materials2013

    • 著者名/発表者名
      S. Kajita
    • 雑誌名

      Journal of Nuclear Materials

    • DOI

      10.1016/j.jnucmat.2012.12.046

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Helium plasma implantation on metals: Nanostructure formation and visible-light photocatalytic response2013

    • 著者名/発表者名
      S. Kajita
    • 雑誌名

      Journal of Applied Physics

      巻: 113 ページ: 134301

    • DOI

      10.1063/1.4798597

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Optical properties of nanostructured tungsten in near infrared range2012

    • 著者名/発表者名
      S. Kajita
    • 雑誌名

      Plasma Phys. Control. Fusion

      巻: 54 ページ: 105015

    • DOI

      10.1088/0741-3335/54/10/105015

    • 査読あり
  • [学会発表] 高エネルギーヘリウムプラズマ照射によるタングステン表面の構造変化2013

    • 著者名/発表者名
      野杁泰幸、大野哲靖、梶田信、北岡大輝
    • 学会等名
      平成25年電気学会全国大会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      20130320-20130322
  • [学会発表] Characteristic of He Bubble Disappearance in Tungsten Nanostructures by Thermal Annealing2013

    • 著者名/発表者名
      M. Yajima
    • 学会等名
      IC-PLANTS2013
    • 発表場所
      Gero, Gifu, Japan
    • 年月日
      20130202-20130203
  • [学会発表] 熱アニーリングによるナノ構造中のHeバブル消失特性2012

    • 著者名/発表者名
      矢嶋美幸、吉田直亮、時谷政行、梶田信、大野哲靖
    • 学会等名
      プラズマ核融合学会第29回年会
    • 発表場所
      福岡県春日市
    • 年月日
      20121127-20121130
  • [学会発表] ヘリウムプラズマ照射によるチタンの表面構造変化と光触媒特性2012

    • 著者名/発表者名
      北岡大輝、梶田信、吉田朋子、大野哲靖、吉田直亮
    • 学会等名
      第9回核融合エネルギー連合講演会
    • 発表場所
      神戸国際会議場
    • 年月日
      20120628-29

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公開日: 2014-07-24  

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