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2012 年度 実施状況報告書

バンドオフセットモジュレーション型高性能透明導電性薄膜の作製

研究課題

研究課題/領域番号 23656386
研究機関九州大学

研究代表者

有田 誠  九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30284540)

研究分担者 生駒 嘉史  九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90315119)
キーワード透明導電膜 / 酸化亜鉛 / 薄膜
研究概要

2層構造試料の重なり領域の解析により表面電位差のコントラストを確認することができたが、これらには膜厚さ方向の情報が重畳していることが示唆された。そこで劈開が容易なSi単結晶基板上に2層構造薄膜を堆積させ、その断面の直接観察を試みた。この方法によりSi基板/ZnO/ドーピングを施したZnO相においてMg添加に対応したコントラストを確認した。
一方、多層積層構造膜の作製をZnO/AlドープZnO(AZO)を用いて試験的に開始した。それに先立ち、ZnO単層薄膜のドーピング量、成膜条件、ポストアニール条件に対する特性の変化について検証を行った。その結果、比較的高いRF電力と370Cにおけるポストアニールによって薄膜のキャリア密度および移動度が改善されることが分かった。ZnO/AZO多層構造では、それぞれの膜厚比および周期数を変化させそれらの電気特性および光学特性を調査した。これらの組み合わせによって電気特性は大きく左右され、各層を単純に並列接続した場合によりも良好な結果を示した条件においては、キャリア移動・キャリア生成の機構が機能しているものと考えられる。光学特性はすべての条件で概ね良好な値を示した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

Si基板上に作製した多層膜試料のKFMによる劈開面観察によって、各層の表面電位差に対応するコントラストを得ることができた。また、Alドープ/ノンドープZnO多層膜を各層の厚さと周期数をパラメータとして数種類試作し、その特性を評価する段階に至っている。

今後の研究の推進方策

多層膜界面のKFM測定に関しては、界面付近の微小領域での情報が必要であり、今後はさらなる測定条件の最適化を試み詳細な解析を行う。
多層膜の作製では、Mg含有量とバンドオフセットの関係を調査し、最適なキャリア生成層の成膜条件を調査する。また、KFM測定の結果から各層の最適厚さを予測し、優れた透明導電性の発現を試みる。

次年度の研究費の使用計画

前年度に引き続き行う薄膜の堆積実験では、いくつかのパラメータを変化させて数多くの試料薄膜を堆積させ、作製した試料の電気特性および光学特性を分析試験するというサイクルをとる。その過程の中でターゲット用酸化物粉末と高純度スパッタリングガス、および薄膜を堆積させる基板が必要となる。
一方、薄膜の電子構造解析には走査型プローブ顕微鏡を使用する。各装置の使用料およびSPMカンチレバー等の付随する消耗品が必要となる。また、超高真空装置の運転・維持には常にメンテナンスが必要で、配管部材・銅ガスケットなどの各種真空部品が必須である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] RFマグネトロンスパッタリング法を用いたAl-doped ZnO/ZnO多層膜の電気特性2012

    • 著者名/発表者名
      長岡 孝, 長野 信也, 有田 誠, 郭 其新
    • 学会等名
      2012 年( 平成 24 年度 )応用物理学会九州支部学術講演会
    • 発表場所
      佐賀大学
    • 年月日
      20121201-20121201
  • [学会発表] RFスパッタリング法を用いて成膜したAl-doped ZnO透明導電薄膜におけるポストアニールの影響2012

    • 著者名/発表者名
      長岡 孝, 長野 信也, 有田 誠, 郭 其新
    • 学会等名
      日本金属学会2012年秋期大会
    • 発表場所
      愛媛大学
    • 年月日
      20120917-20120917
  • [学会発表] Surface potential measurement on silicon with various doping concentrations using Kelvin force microscopy2012

    • 著者名/発表者名
      Makoto Arita
    • 学会等名
      佐賀大学シンクロトロン光応用研究センター 講演会
    • 発表場所
      佐賀大学
    • 年月日
      2012-09-26

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公開日: 2014-07-24  

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