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2012 年度 実績報告書

人工骨被覆ポリマーシートメンブレンの生医学的評価

研究課題

研究課題/領域番号 23656394
研究機関山形大学

研究代表者

鵜沼 英郎  山形大学, 理工学研究科, 教授 (30273303)

キーワード骨誘導再生 / 歯根膜細胞 / 組織誘導再生 / リン酸カルシウム
研究概要

本研究は、PETシートを基材の上にゼラチンとリン酸カルシウムをコートした材料を、骨誘導再生用のメンブレンとして応用することを念頭に置き、本材料の組織再生機能を細胞培養実験と動物埋入試験を通じて評価することを目的としている。 細胞培養試験に用いた細胞は、ヒト歯根膜細胞である。試験の結果、本研究の材料はヒト歯根膜細胞の接着・増殖および伸展に関して好適な環境を提供しうるものであることが明らかになった。このことから、本材料は骨誘導再生のみならず、組織誘導再生にも応用しうるものであることが示唆された。 動物実験は、6歳齢の雌ビーグル犬を用いて実施した。4匹の実験動物について下顎の左右第1~第4前臼歯を抜去し、左側の歯槽骨には本研究の材料をメンブレンとして用い、右側は何も埋植せずに縫合してコントロールとした。14日および30日後に実験部を摘出して組織観察を行ったところ、本研究の材料をメンブレンに用いた側では、平均約6倍の骨形成が見られた。このことから、本研究の材料は骨誘導再生用メンブレンとして非常に有望と思われた。 研究を通じて得られた知見を踏まえ、本材料の改善点も明らかになった。 本材料が組織再生を促す理由は、最外層のリン酸カルシウム(リン酸八カルシウムと低結晶性水酸アパタイト)の溶解性が高いためと思われるが、血液などで濡れると、リン酸カルシウム層が剥がれやすくなった。この点を改善すべく、新たな作製法の確立を試みた。現時点では作製条件の最適化には至っていないが、リン酸カルシウム層の剥離の程度を大幅に低減できることがわかった。また、ヒト歯根膜細胞は、平滑な表面ほど伸展することから、新しい製法は有利に働くと思われた。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] In vivo and in vitro biological efficacy of double-layer coating of titanium with gelatin and calcium phosphate2012

    • 著者名/発表者名
      J. -B. Kim
    • 雑誌名

      J. Ceram. Soc. Japan

      巻: 120 ページ: 589-593

    • DOI

      doi:10.2109/jcersj2.120.589

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ゼラチンとリン酸カルシウムで表面修飾したPET上でのMC3T3-E1細胞の増殖と石灰化2012

    • 著者名/発表者名
      古澤利武
    • 雑誌名

      日本口腔インプラント学会誌

      巻: 25 ページ: 699-707

    • 査読あり
  • [学会発表] 酵素反応を利用した無機材料合成-形態制御と生体材料への応用-2013

    • 著者名/発表者名
      鵜沼英郎
    • 学会等名
      日本化学会第93春季年会
    • 発表場所
      立命館大学(滋賀県)
    • 年月日
      20130323-20130325
    • 招待講演
  • [学会発表] 水溶液を反応場としたセラミックスの形態制御合成と応用の研究2013

    • 著者名/発表者名
      鵜沼英郎
    • 学会等名
      日本セラミックス協会2013年年会
    • 発表場所
      東京工業大学(東京都)
    • 年月日
      20130317-20130319
    • 招待講演
  • [学会発表] 可溶性リン酸カルシウムコートインプラントの骨親和性について2012

    • 著者名/発表者名
      鵜沼英郎
    • 学会等名
      日本口腔インプラント学会東北北海道支部学術講演会
    • 発表場所
      奥羽大学(福島県)
    • 年月日
      20121103-20121104
  • [学会発表] 可溶性リン酸カルシウムコートインプラントのMC3T3-E1細胞への影響2012

    • 著者名/発表者名
      鵜沼英郎
    • 学会等名
      日本口腔インプラント学会東北北海道支部学術講演会
    • 発表場所
      奥羽大学(福島県)
    • 年月日
      20121103-20121104
  • [学会発表] 抜歯直後に応用したPET/ゼラチン/SCPメンブレンのGBR効果2012

    • 著者名/発表者名
      鵜沼英郎
    • 学会等名
      2012年バイオマテリアルシンポジウム
    • 発表場所
      仙台国際センター(宮城県)
    • 年月日
      20121021-20121024

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公開日: 2014-07-24  

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