今後の研究の推進方策 |
平成25年度においては,引き続きCIS粒界構造を調べるとともに,CIS/電極界面も原子分解能TEM観察と第一原理計算により調べる.特に,そらら界面における原子空孔の形成挙動と拡散挙動をしらべる.界面において単原子カラムの分解能を有するEELSスペクトルを測定し,Cu, In, Se, Gaの吸収端を測定する.各吸収端のエネルギーはCu-L2,3:930eV,In-M4,5:440eV, Se-L2,3:1440eV, Ga-L2,3:1100eVで同時取り込みが可能であり,高精度な定量評価が可能である.また,独自のスペクトル計算法を用い,各原子カラムにおける組成,化学結合,電子構造を明らかにする. さらに,界面近傍の欠陥形成挙動を第一原理計算により明らかにする.界面近傍の各サイトに点欠陥を導入し形成エネルギーを求める.同解析をいくつかの結晶粒界において行い,界面に形成される特異構造と,局所応力,結合歪み,結合欠損,そしてノンストイキオメトリーとの相関性を明らかにする. 傾角を変えた双結晶薄膜を系統的に作成し,計測と理論計算を複合利用した手法を適用することにより界面ノンストイキオメトリーの粒界性格依存性を調べる.以上の研究により界面構造⇔ノンストイキオメトリー⇔化学結合の相関性の解明を目指す.
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