研究課題/領域番号 |
23656397
|
研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
脇谷 尚樹 静岡大学, 工学部, 教授 (40251623)
|
研究分担者 |
鈴木 久男 静岡大学, 創造科学技術大学院, 教授 (70154573)
坂元 尚紀 静岡大学, 工学部, 助教 (80451996)
|
キーワード | ポリスチレン / テンプレート / PLD / フォトニック結晶 |
研究概要 |
最近、単層のコロイド結晶(MCC)を用いて2次元周期構造を作製する方法が注目されている。これはポリスチレン(PS)などの単分散微粒子を基板上に単層で最密充填構造させたテンプレートを用いる方法である。我々はこの方法で半球の球殻が最密充填構造を維持しながら結晶化したCoFe2O4薄膜、すなわち、【2次元磁性フォトニック結晶】の基本構造の作製に成功している。本研究の目的は、1、磁気光学効果(MO効果)と電気光学効果(EO効果)の共存する材料または複合材料の探索、2、PS-MCCをテンプレートに用いた磁気電気光(MOE)フォトニック結晶の作製、および、3、MOEフォトニック結晶に磁界または電界を印加した際の光学特性の変調の測定の3個である。 平成24年度は23年度に確立させた基本的な技術を発展させ、PS-MCCをテンプレートに用いた磁気電気光(MOE)フォトニック結晶の作製と電気特性の測定を行うとともに、磁界を印加した場合の変調について検討した。23年度には基本的な構造の作製技術は確立したものの、リーク電流が大きく、PS-MCCをテンプレートとして作製した球殻1個の電気特性の測定は困難であった。24年度には、下部電極のLaNiO3膜を気相法(PLD法)と液相法(CSD法)を組み合わせることにより膜厚を約400nmまで厚くし、この上にPLD法で約500nmのPZT薄膜を堆積し、さらに試料を傾けてLNO薄膜を成膜することにより、個々の球殻上に個別の上部電極を作製し、この上部電極上に導電性のAFMの針を接触させることにより下部電極との間で強誘電特性の測定に成功した。これは、自立膜となっている単一の球殻構造のPZT薄膜に対して強誘電特性を測定した初めての例である。同様の構造を下部電極を磁性体の(La,Sr)MnO3を用いて作製、磁界を印加した際の相互作用の測定を行った。
|