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2012 年度 実績報告書

有機/無機ナノ複合体の創製における層剥離・複合化機構の解明および積層構造の構築

研究課題

研究課題/領域番号 23656413
研究機関金沢工業大学

研究代表者

渡辺 雄二郎  金沢工業大学, バイオ・化学部, 講師 (60410297)

キーワード層状複水酸化物 / 大気圧走査型電子顕微鏡 / 膨潤 / 剥離 / 有機/無機ナノ複合体 / ナノ構造 / 粘土鉱物 / イオン交換
研究概要

本研究ではナノ層間を精密に制御した構造材料の開発促進を目的に、大気圧下で観察可能な新型走査型電子顕微鏡(ASEM)を用いた直接観察法により、多種有機物と層状複水酸化物(LDH)からなる有機/無機ナノ複合体の創製におけるLDHの膨潤・剥離・複合化機構の解明および積層構造の構築に関する検討を行った。以下に主な結果を示す。
1. 塩素型Mg/Al系LDH(粒子径 約 2 μm)とラウリン酸溶液を接触させ、ASEMにより直接観察した結果、LDH層間にラウリン酸イオンが取り込まれることにより、大きく膨潤する様子が観察された。またその層間の広がりはXRDパターンのd値から求めた値(0.45 nm)とほぼ一致した。
2. 塩素型Mg/Al系LDH(粒子径 100 nm以下)とホルムアミドを接触させ、ASEMにより直接観察した結果、瞬時にLDHが剥離し、シート状になる様子が観察された。
3. 硝酸型のCa-Al系LDHと所定濃度の炭酸ナトリウム水溶液を反応させ、水溶液中で直接観察した結果、0.1Mと0.01Mでは六角板状のLDH結晶から数分で立方体結晶の炭酸カルシウム(カルサイト)に相変化する様子が観察された。一方0.001Mの添加では形状変化がほとんど起こらないことが明らかになった。
4. アスコルビン酸含有Ca-Al系LDHやMg-Al系LDHと所定濃度のリン酸ナトリウム水溶液を反応させた結果、ビタミンC含有LDHの表面または粒子間にHApが形成することが明らかになった。
本研究により、ASEMを用いてLDHの膨潤・剥離・複合化反応を直接観察することにはじめて成功した。またLDH/炭酸カルシウム複合体およびLDH/HAp複合体を合成でき、有機/無機ナノ複合体の創製や積層構造構築に向けた基礎データを収集することができた。本研究成果はナノ層間を精密に制御した構造材料の開発促進に繋がる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] ゼオライト複合体の作製と環境浄化材料としての評価2012

    • 著者名/発表者名
      渡辺雄二郎
    • 雑誌名

      粘土科学

      巻: 50巻 ページ: 1-8

    • 査読あり
  • [学会発表] 大気圧走査型電子顕微鏡を用いた水溶液中の無機層状化合物の観察2013

    • 著者名/発表者名
      渡辺雄二郎
    • 学会等名
      日本顕微鏡学会第69回学術講演会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      20130520-20130522
  • [学会発表] Preparation of Mg-Al Layered Double Hydroxide / Hydroxyapatite Nanocomposite2012

    • 著者名/発表者名
      Yujiro Watanabe
    • 学会等名
      The 2nd Asian Clay Conference
    • 発表場所
      Korea
    • 年月日
      20120906-20120908
  • [学会発表] 大気圧走査型電子顕微鏡を用いた水溶液中における各種層状複水酸化物の膨潤挙動の観察2012

    • 著者名/発表者名
      渡辺雄二郎
    • 学会等名
      第72回日本分析化学討論会
    • 発表場所
      鹿児島
    • 年月日
      20120519-20120520

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公開日: 2014-07-24  

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