研究課題/領域番号 |
23656416
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中山 幸仁 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 准教授 (50312640)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | ナノワイヤー / アモルファス合金 |
研究概要 |
学術的観点から原子レベルにおける剪断破断のメカニズムを解明することにより、アモルファス合金の実用化における最大の問題点である塑性加工性に新たな知見を得ることを目的とし、平成23年度は、SEM/FIB(Dual beam)装置を用い、ナノ機械試験の準備のためアモルファスナノワイヤを切断、デポ固定を実施して、これに対して原子分解能を有する透過電子顕微鏡を用いて引張応力下のアモルファスナノワイヤの構造的変化を観測することを予定していた。 ところが平成23年3月11日に発生した東日本大震災により、Dual beam装置、透過電子顕微鏡に甚大なダメージを受けたため、目的としていた研究が実行できず、アモルファスナノワイヤの製造に関する研究にフォーカスを定め研究を推進した結果、様々なアモルファス合金からナノワイヤを大量生産する手法を見出すことに成功した。これにより、当初目的としていたナノ機械試験の試料準備が容易となり、平成24年度はこの手法で作製したナノワイヤに対してナノ機械試験を実施する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
3月11日の震災によって試料加工装置であるDual beam装置、ならびに観測の主軸装置である透過電子顕微鏡に甚大なダメージを受けたため、目的としていた研究が実行できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
Dual beam装置は平成24年3月に既に復旧し、透過電子顕微鏡は平成24年7月に完全に復旧する予定である。震災によるトラブルが生じた一方で、アモルファスナノワイヤの大量生産に成功を収めており、今年度はこれを用いて昨年度実施できなかった透過電子顕微鏡を用いた引張応力下のアモルファスナノワイヤの構造的変化の観測を行う。更に、ナノスケールにおける応力歪み曲線計測を実施して再現性のある定量的な測定を実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究費は主にアモルファスナノワイヤの材料費、AFM用カンチレバー、ならびに旅費に使用する。
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