研究課題/領域番号 |
23656436
|
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
津久井 茂樹 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40207353)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
|
キーワード | thermoelectric thin film / photovoltaic / hybrid |
研究概要 |
平成23年度の研究の当初の予定と実績、平成24年度の課題を示す。(1)電変換素子薄膜は、当初、BiTe系薄膜を考えていたが、毒性の低いFe系ホイスラー熱電薄膜をPLD装置で作製した。その結果、室温でBiTeと同程度の高いパワーファクターを持つ熱電薄膜を作製することができた。(2)電性薄膜は、Al、Cr等を考えていたが、酸化しにくいPt薄膜をPLD装置で作製し、導電性と密着性に優れた導電性薄膜を作製することができた。平成24年度は、低コストのAlやCrの導電薄膜を作製し、Pt程度の導電性と密着性を持つ薄膜を作製する。(3)太陽電池薄膜は、n型アモルファスSiを、p型にCIASをPLD装置により作製したが、OCVが0.1V程度と低かった。平成24年度は、積層条件の最適化を図る。(4)絶縁性薄膜はSiO2であり、当初、RFスパッタ装置を使用する予定であったが、PLD装置での作製に成功した。その結果、ハイブリッド素子はPLD装置の単一プロセスで作製することが可能となった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度の研究の達成度を示す。(1)電変換素子薄膜は、当初、BiTe系薄膜を考えていたが、毒性の低いFe系ホイスラー熱電薄膜をPLD装置で作製した。その結果、室温でBiTeと同程度の高いパワーファクターを持つ熱電薄膜を作製することができた。(達成度120%)(2)電性薄膜は、Al、Cr等を考えていたが、酸化しにくいPt薄膜をPLD装置で作製し、導電性と密着性に優れた導電性薄膜を作製することができた。(達成度75%)(3)太陽電池薄膜は、n型アモルファスSiを、p型にCIASをPLD装置により作製したが、OCVが0.1V程度と低かった。(達成度25%)9(4)絶縁性薄膜はSiO2であり、当初、RFスパッタ装置を使用する予定であったが、PLD装置での作製に成功した。(達成度100%)
|
今後の研究の推進方策 |
(1)電変換素子薄膜:H23年度と同様、毒性の低いFe系ホイスラー熱電薄膜をPLD装置で作製する。H24年度は、PLDそうちを 用いて300以下での、低温成膜法を確立する。(2)電性薄膜:Pt導電生薄膜のほかに、当初使用する予定であったAlやCrの導電性薄膜を作製し、コストの削減を図る。(3)太陽電池薄膜:n型アモルファスSiとp型CIAS太陽電池を、PLD装置により300℃以下での低温合成できる条件を探す。(4)絶縁性薄膜:SiO2のほかに、薄くて平坦性の高いAl2O3アモルファス絶縁膜の合成を図る。(5)すべての薄膜を積層させ、ハイブリッド太陽電池エネルギー素子を作製する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
(1)PLD装置で使用するエキシマレーザーに必要な高純度ガスの購入。(2)薄膜作成に必要なターゲット原料の購入。(3)学会参加旅費
|