本研究は、従来手法ではサイズや試料強度の上限や微細化の下限に阻まれるナノ構造バルク材の新たな作製法の展開を目指し、微細構造を積み上げるボトムアップ型プロセスとしての「めっき」を利用したプロセスの検討を行い、転位運動の抑制が期待できる層状構造、すなわち1次元的変調構造の作製手法として確立した。開発した「自動ナノ厚さ多層めっきバルク作製装置」では100層を越える多層めっき作製が安定的に作製でき、透過型電子顕微鏡観察、SEM-EBSD観察、ラザフォード後方散乱分光法などによって、積層したCuとNiが同一の方位を有する整合積層領域が多数存在すること、多数の粒界が拡散を促進することなどを明らかとした。
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