研究課題/領域番号 |
23656466
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
津守 不二夫 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10343237)
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研究分担者 |
桐原 聡秀 大阪大学, 接合科学研究所, 准教授 (40362587)
三浦 秀士 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30117254)
姜 賢求 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30599981)
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キーワード | 微細加工 / インプリントプロセス / 磁性粒子 / フォトニックデバイス |
研究概要 |
フォトニックデバイスは利用する光の波長サイズの格子をもついわゆる結晶構造であり,近年,電磁場の制御に関し,アンテナ,レーザー,光通信,等,さまざまな応用研究が進んでいる.従来の研究では「構造の固定された」デバイスを利用している.本研究では結晶構造が「ダイナミックに変化する」フォトニックデバイスを作製する.従来,このような構造は半導体プロセスをベースとした微細加工技術が利用されていたが,本申請では塑性加工および粉体プロセスを効果的に用い構造を作製する.提案する構造は変形可能な樹脂シート上に磁性小要素を周期的に配置したものである.外部磁場を印加することで,小要素間に相互作用力が働き,構造は変形し,その周期も変化することとなる.具体的な作製プロセスとして,本研究では2種類の手法をとった.ひとつは従来のMEMS分野で利用されてきたリソグラフィをベースとしたもので,もうひとつは塑性加工の一種である熱インプリントプロセスである.リソグラフィでは光硬化性樹脂SU8を用いた鋳型の作製と,シリコーンエラストマであるPDMSのキャスティングによる作製法をとった.エラストマに磁性粒子を分散させることで,磁場に反応する構造を作製した.インプリントプロセスでは樹脂シートと粒子を分散させた樹脂シートを積層させた「多層シート」へのインプリントプロセスの開発を行った.(この開発は固体酸化物型燃料電池高性能化のためのセラミックシート作製へも適用できた.広く応用可能な技術である.)磁性粒子を用い得られた構造は磁場を印加することで,変形することが可能であった.その変形の際,配置したアレイ状磁性要素の周期が変化した.この変化によりフォトニックデバイスとして利用する際の波長も動的に変化する.
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