研究課題/領域番号 |
23656472
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
渡辺 精一 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60241353)
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研究分担者 |
谷津 茂男 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40111158)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 金属ナノボール / ステンレス粒子 / 液中グロー放電 |
研究概要 |
ステンレス合金のナノボール(ナノメートルサイズの球状粒子)に関して,申請者らが開発した液中グロー放電法を利用して極小ナノボール化作製するための基礎技術を確立し,最小のステンレス合金のナノボール作りに挑戦する.これには磁場を用いたプラズマの制御法ならびに高電圧化により,平均サイズの最小化に加えて,分級を行いながら実施する.本研究により,グリーンナノテクとして低エネルギー・低コストの新たな高機能ステンレス材の開発などが見えてくる.液中放電による金属のナノボール作製法をより応用範囲の広いステンレス鋼に適用することにより,工学的な生産性を見据えた研究展開を行い,触媒,創薬,電子材料といった環境・エネルギー材料分野への新たな高機能化鉄鋼材料開発をもたらすことが期待できる.・磁場印加によるステンレス合金ナノボール作製:各種ステンレス鋼材料を出発原料として準備し, 棒状試料(0.5-3mm径)に加工したのち, K2CO3を添加した水溶液中でグロー放電を行いナノボールの作製を行った。・分級・サイズ分布評価・電子顕微鏡観察:生成したステンレスナノボールの評価はFE-SEMによる表面形状評価, 同時にEDS装置による濃度分析評価を行った.また、ナノトラック粒度分布測定装置により、粒度分布を測定した。・ナノボールの機能評価:今年度は作製したステンレスナノボールの光機能特性を調査を実施した.これにより、UV光照射による光触媒効果を確認することができ、次のステップへの大きな手掛かりが得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画に基づき、順調に研究を進めている。また、ステンレス合金ナノボールの光機能特性に関して、光触媒効果などの効果があることが判明した。これにより、デバイス化への応用面の期待ができる。
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今後の研究の推進方策 |
・磁場印加によるステンレス合金ナノボール作製:前年度に引きつづき,磁場印加の実験を行う.高速カメラ撮影と電流値データの揺らぎ解析のためアバランシェ放電の発生頻度との相関をノイズ解析よりFFTパワースペクトラム解析評価する.・分級・サイズ分布評価・電子顕微鏡観察:前年度の評価に加えて,得られたTEM,SEM像について画像処理を利用した粒度分布測定を用いて平均サイズ分布(大きさと頻度)について調査を行う. ・ナノボールの機能評価: 得られたナノボールを用いて,デバイスの開発を行うために,半導体等の基板表面の上に,ステンレス合金ナノボールを塗布し,触媒デバイス(フミン等の分解除去テスト)ならびに発光デバイス(光ミネッセンス特性の評価)の開発基礎テストを行い.特許,論文発表,状況に応じてプレスリリース等による成果発表を行う.
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度は研究補助員の雇用費が当初予定より少額になったため残金が発生したが、これを次年度に繰り越しとして、研究補助員の雇用費にあて、当該研究の推進を予定である。その他、消耗品費、また英文校正、論文投稿、学会発表の予算支出を予定している。
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