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2012 年度 実績報告書

イオン強度で結晶系を制御する連続晶析プロセスの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23656488
研究機関京都大学

研究代表者

河瀬 元明  京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60231271)

キーワード晶析 / イオン強度 / シュウ酸カルシウム / 結晶形 / 不安定相 / pH
研究概要

晶析,反応晶析による微粒子製品の製造は工業的に広く実施されているが,粒子形状(結晶形態)の予測や粒径分布の制御,多形や擬多形の制御は難しいといわれている。
本研究では,擬多形をもつシュウ酸カルシウムの連続晶析について実験を行い,合成時間と生成物の各結晶形の収率との関係を調べることにより,結晶成長の進行に伴い,結晶形がどのように変化するかを明らかにすることができた。
シュウ酸カルシウム CaC2O4・xH2O は擬多形をもっており,熱力学的に安定な Whewellite (単斜晶, x = 1),準安定な Weddellite (正方晶, x = 2) および不安定な Caoxite (三斜晶, x = 3) の3つの結晶形が存在する。管型反応器を用いて,シュウ酸カルシウムの連続晶析を行い,短い滞留時間の条件で,pHが結晶形に及ぼす影響を検討した。反応温度は 0 ℃とした。pH = 1 程度で0.001 s から 0.1 s の短い滞留時間において Caoxite が得られ,滞留時間が長くなるにつれて熱力学的に安定な Whewellite の選択率が増加した。さらに,pHが高い場合ほど Whewellite が生成しやすいことがわかった。母液のイオン強度の影響を調べたところ,イオン強度が結晶形に影響を与えないことが確認された。結晶形の選択にはpHがもっとも大きな影響を及ぼすといえる。
作製した結晶を用いて相転移のみの実験を行ったが,0 ℃ではシュウ酸カルシウムの相転移は非常に遅く数日~数週間を要することがわかった。管型反応器内での滞留時間である数分間では相転移は起こらないといえる。よって,擬多型が生じる原因は各結晶形の核が発生するまでの誘導時間の差であり,Whewellite の核が発生するまでの誘導時間は pH が大きいほど短くなることがわかった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 連続晶析における多形制御

    • 著者名/発表者名
      福田晃子
    • 学会等名
      第15回化学工学会学生発表会 北九州大会
    • 発表場所
      北九州市立大学

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公開日: 2014-07-24  

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