研究課題/領域番号 |
23656494
|
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
吉田 昌弘 鹿児島大学, 理工学研究科, 教授 (50315397)
|
研究分担者 |
愛甲 涼子 鹿児島大学, 理工学研究科, 教務職員 (50244265)
|
キーワード | マイクロカプセル / 徐放制御 / 電場応答 / 機能性素子 / 液晶モノマー |
研究概要 |
本研究においては、外部刺激として電場のみに応答するインテリジェントマテリアルとしてマイクロカプセルの機能付与に着目した。温度やpHという外部刺激に応答するマイクロカプセルに関しては、ポリマーの化学構造や化学組成などの面から物性を制御しようとする分子設計という考え方に基づいて研究報告があるが、電場による徐放制御を可能にし、徐放の有限値コントロールを実現できる刺激応答性マイクロカプセルに関しての報告例はない。本研究では、電場に鋭敏に応答する不斉炭素を有する強誘電性側鎖型液晶素子(液晶モノマー)を効率よく設計・合成し、これらを用いた機能性マイクロカプセルを開発する。開発されたマイクロカプセルの構造的物性評価を行うとともに、電場による有限値コントロールの実現を可能にすることが最大の目的である。 平成24年度では、前年度までに合成した液晶モノマーの収率向上のための検討を引き続き行った。また、液晶モノマーを外殻に導入した電場応答機能による有限値徐放マイクロカプセルを開発し、その特性を定量的、定性的に評価した。液晶モノマーとスチレン等のモノマーを用いて、共重合を行うことにより液晶性素子を外殻骨格に導入し、それを自己組織化させたマイクロカプセルを調製した。電場による徐放コントロールを評価するために徐放対象物質として電荷を有しない水溶性の芯物質(生理活性物質)を利用した。液晶ポリマー骨格を有する機能性マイクロカプセルについて、その電場依存性、熱特性及び形状安定特性(粒径分布、表面形状、膜厚)を評価した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
合成した液晶モノマーを利用し、これを外殻に導入した電場応答機能による有限値徐放マイクロカプセルを開発できた。調製したマイクロカプセルにおいて、電場依存性、熱特性及び形状安定特性(粒径分布、表面形状、膜厚)を評価できた点を考慮すると概ね順調に進展していると考えられる。
|
今後の研究の推進方策 |
電場応答にともなう液晶ドメイン(カプセル外殻中)の膨潤-伸縮挙動変化やカプセル膜からの透過物質の有限値徐放挙動に対する詳細な検討とそのメカニズムの解明を行う予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
|