研究課題/領域番号 |
23656500
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
阿尻 雅文 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 教授 (60182995)
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研究分担者 |
高見 誠一 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (40311550)
青木 宣明 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 助教 (90437244)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 新規炭素材料 / ボールミリング / ダイアモンドアンビル / トポロジー研究 |
研究概要 |
従来、炭素材料にはアモルファス炭素、グラファイト(sp2)、ダイヤモンド(sp3)があるが、3次元結晶については、sp3混成軌道を有するダイヤモンド以外にないと考えられてきた。ところが2年前、数学の研究者の幾何解析により、120°の分岐(炭素ではsp2結合)結合から2次元のグラファイトだけでなく3次元結晶構造が組みうることが見出された。我々は、この数学研究者と共同で第一原理計算を行い、構造安定性と物性評価を行った結果、NaやMgイオンをドープすると構造は安定であり、高圧下でグラファイトから相転移し合成しうることを予測した。そこで本研究では、様々な手法を駆使して、この新規結晶構造を実現することを目的とする。本年度は、実験としてボールミリングによる異方的な瞬間加圧、加熱方法と、ダイアモンドアンビル内での等方的な加圧、加熱という2つの方法を採用し、新規結晶構造の合成に挑戦した。ボールミリングを用いた手法では、BNに様々な異種原子を導入してボールミリングを行った後に、生成物をX線回折にて解析した。その結果、既知の結晶に帰属されない回折パターンを確認し、現在詳細な解析を行っている。また、ダイアモンドアンビルを用いた実験をSPring-8において行った。MgBNを加圧、レーザー加熱により1300℃までアニールを行い、その状態での結晶構造をin situ XRDで評価した。その結果、Mg-B-N系では説明できない結晶回折パターンを確認した。このパターンは加圧による結晶の収縮を考えても説明できず、詳細な検討を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
等方的、異方向的な加圧を行うという2つの方法による新規結晶材料の合成に挑戦し、既知の材料では説明できないXRDパターンを観察しており、当初の計画以上に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後も、ボールミリングなどの手法を用いて、新規結晶構造の探索に挑戦するとともに、生成物の結晶構造の解析を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
ボールミリング用の試薬等を購入するほか、様々な実験施設への旅費などに用いる
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