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2012 年度 実施状況報告書

ES細胞の脱核とその利用による多能性幹細胞の作製

研究課題

研究課題/領域番号 23656524
研究機関京都大学

研究代表者

川本 卓男  京都大学, 放射性同位元素総合センター, 教授 (10231276)

キーワードES細胞 / 多能性幹細胞 / iPS細胞 / 初期化
研究概要

世界中の研究者が安全で効率のよい人工多能性幹(induced pluripotent stem: iPS)細胞の誘導法を開発しようとしのぎを削っているが、そのほとんどが、体細胞に導入する遺伝子の種類や数、その導入法の改良、あるいは化学物質の利用といった観点からの研究である。本研究では、それらとは違った観点から、胚性幹(embryonic stem: ES)細胞を利用して体細胞核由来の多能性幹細胞を作製する新規で安全な方法を開拓することを目的としており、本該当年度もそのための検討を続けた。すでに樹立したES細胞を利用することによって体細胞核由来の多能性幹細胞の作製することができれば、新たにES細胞を樹立する必要がないので、新たな受精卵の使用をしなくてもすむため、倫理的な問題の少ない方法となる。さらに、樹立される多能性幹細胞のもととなる体細胞の遺伝子に手を加えることもなく、細胞の初期化に関係するような危険な化学薬品も使用しない方法を開拓できれば、現在のiPS細胞の持つ危険性を大きく低減できると考えられる。そこで、まずは、未受精卵の細胞質が体細胞核の初期化能をもつように、ES細胞の持つ初期化能がES細胞の細胞質にもあると考えられることから、ES細胞の細胞質を用いて体細胞由来の核を初期化でき、体細胞核由来の多能性幹細胞の作製ができると考え、ES細胞や体細胞から、細胞質体および核体を得る方法の検討を引き続き行った。具体的には、Ficollを用いた 密度勾配遠心法を用いた細胞質体や核体の単離を検討し、細胞質成分は低濃度の画分、核は底の画分に多く含まれる傾向があることは確認されたが、現時点では、分離が、まだまだ不十分で、遠心時間を長くするなどの、さらなる対策が必要と考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成24年度において、細胞から細胞質体を単離する方法の検討を進め、得られた細胞質体を用いて多能性細胞作製の検討を進める予定であった。しかし対象細胞株であるマウスES細胞株の維持中の事故もあり、純度の良い細胞質体を得るに至っていないため、次年度にさらに単離条件等の検討を進める必要が生じた。

今後の研究の推進方策

密度勾配遠心法を使用した細胞質体や核体の単離法における、諸条件(特に、Ficollの濃度パターン、回転速度、遠心時間など)の最適化を図り、 さらに、細胞質体と細胞との融合法の検討も進める予定である。

次年度の研究費の使用計画

ES細胞や研究に必要な他の動物細胞維持のための器具類や培地などの消耗品類、細胞質体や核体を単離するための方法および条件検討に必要な器具や消耗品類、さらには、細胞融合法検討のために必要な器具、消耗品類などの購入ために用いる予定である。

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公開日: 2014-07-24  

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