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2011 年度 実施状況報告書

寄生植物の細胞壁分解酵素を導入した微生物による木質バイオマスの直接イソプレン変換

研究課題

研究課題/領域番号 23656527
研究機関大阪大学

研究代表者

岡澤 敦司  大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10294042)

研究分担者 大槻 隆司  山梨大学, 医学工学総合研究部, 准教授 (70313781)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワードバイオマス変換 / 寄生植物 / 細胞壁分解 / イソプレン
研究概要

本研究課題ではバイオマスの有効活用のため優れた細胞壁分解能をもつ寄生植物に着目した.寄生確立時の寄生植物より植物細胞壁分解酵素群のクローニングを行い,これを微生物に導入,さらに代謝改変を行なうことで木質バイオマスを直接イソプレンに変換することを目的とした.平成23年度は帰化植物であるヤセウツボを材料として,β-グルコシダーゼの単離精製と遺伝子のクローニングを試みた.ヤセウツボより抽出したタンパク質画分について,p-ニトロフェニル-β-D-グルコピラノシドをモデル基質としたアッセイ系を用いてβ-グルコシダーゼの精製を行ったところ,陽イオン交換カラムである RESOURSE S を用いたカラムクロマトグラフィーによって比活性がおよそ 2 倍に上昇した.また,この活性は細胞壁もしくは細胞膜結合型のタンパク質画分で顕著であったことから,当該酵素は分泌型のタンパク質であることが示唆され,この酵素が寄生の際に宿主の細胞壁を分解している可能性が示された.また,並行してザイモグラフィーによる活性染色を行ったところ,160-200 kDa に泳動される位置に活性を有する酵素が存在していることが示されたが,CBB 染色によってはその位置にバンドが観察できなかったことから,この酵素は極微量にしか存在していないことが明らかになった.同時に EST からの遺伝子クローニングを試みたところ,ヤセウツボの発芽時に高発現しているβ-グルコシダーゼ相同遺伝子の取得に成功した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の目的どおり,寄生植物由来の細胞壁分解酵素について単離精製,遺伝子のクローニングを達成している.

今後の研究の推進方策

今後はこれまでに得られた寄生植物由来の遺伝子を順次 Bacillus subtilis もしくは Trichodema reesei に導入していく.得られた遺伝子組換え微生物に関し,代謝工学的手法を用いてイソプレンの生産性の向上を目指すとともに,培養工学的手法を用いて生産性の最適化を行う.

次年度の研究費の使用計画

寄生植物の遺伝子クローニングが順調に進んだために,当初予算のうち酵素・試薬に係る費用が低減できた.次年度以降は,初年度に使用予定であった消耗品費をイソプレンの代謝工学研究用の酵素・試薬の購入費として使用する.これ以外については,交付申請書の計画の通り使用する.

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公開日: 2013-07-10  

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