研究課題/領域番号 |
23656532
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
原 正之 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (50344172)
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研究分担者 |
森 英樹 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (30450894)
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キーワード | 神経幹・前駆細胞 / 光増感色素 / 活性酸素 / apoptosis / 神経細胞 / グリア細胞 / ABC transporter / 間葉系幹細胞 |
研究概要 |
初年次に、マウスの神経幹・前駆細胞(mNSPC)を用いて細胞の死滅に関する基本的な実験系を確立したので、これを用いて2年次は分化細胞、未分化細胞を選別を可能とするような条件をさらに探索するとともに、他の細胞種(マウスで無く、ヒト由来の神経幹・前駆細胞(hNSPC)、およびラットの間葉系幹細胞(rMSC))を用いて光増感反応による細胞の傷害・死滅を検討した。 hNSPCについては、「I.活性酸素の発生、光増感色素排出能、光増感度反応による細胞死滅、の基礎実験」、「II.細胞の分化能の障害についての評価」、「III.細胞障害の定量的評価と細胞傷害機構の検討」などを、一通り検討する事ができた。結果はmNSPCでの知見とほぼ同様の傾向を示した。 rMSCについても検討を行なったが、分化させた後の細胞への影響などを含む全ての項目を詳細に検討するには時間が足りなかった。また、hematoporphyrin(HP) では細胞の傷害・死滅が起きたが、rhodamin 123(RH)では明瞭に起きなかった点が、mNSPCおよびhNSPCと異なっていた。使用機器(分光器)の不具合などの技術的な理由から、一部の実験項目の実施が遅れた為、期間の延長を申請し3年次に持ち越しとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
使用機器(分光器)の不具合などの技術的な理由から、一部の実験項目の実施が遅れた為、H24年度で終了予定の期間の延長を申請し、一部の実験項目を3年次に持ち越しとした。 研究計画に書いた項目の中で、「I.細胞選別条件〔細胞死滅条件〕を設定するための基礎データの取得」、「II.細胞選別操作(光増感反応)後の細胞の分化の程度と存在比率の解析と細胞障害の確認」はmNSPC とhNSPC については概ね完了し、rMSCについては一部引き続き検討中。また、「III.細胞選別条件〔細胞保護条件〕を設定するための基礎データの取得」、「IV.上記のI,II,IIIの基礎データを基にした細胞選別条件の設定と確認」については、上記の結果を踏まえて引き続き検討中である。
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今後の研究の推進方策 |
延長期間である3年次は、rMSCについての検討を引き続き行ない、またiPS細胞についても、可能な限り試行的な実験を行うなどの利用を検討するつもりである。これまでに検討に用いた3種の細胞種については、計画書に書かれた下記の項目をできるだけ実現する為に、各項目の実験を行う予定である。 IV.上記のI,II,IIIの基礎データを基にした細胞選別条件の設定と確認 j)細胞選別条件データマトリクスの作成 k)細胞種に応じた光増感色素の種類、細胞外液の条件の設定 l)光照射パターンの違いによる細胞選別効率の評価
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次年度の研究費の使用計画 |
実験動物、等)と、情報収集の為の学会旅費、補助員雇用費などに充当する予定である。 概ね、下記の支出を予定している(研究の進展具合により多少の変更の可能性あり)。 物品費:590,000 円程度・・・試薬類、細胞培養用の培地、実験動物、培養用のフラスコおよびシャーレ、チューブ類、ピペットマンチップ等の消耗品を中心に購入する。今のところ大きな備品の購入は想定していないが、研究の進展具合によっては光照射実験等に関わる器具を一部購入する可能性はある。 旅費:140,000円・・・東京―大阪間の交通費・宿泊費(研究情報の収集と成果発表の為)、大阪―広島間の交通費・宿泊費(日本生物工学会)、等 人件費・謝金:350,000円・・・補助員の雇用費、並びに投稿論文の英文校正、学会参加費、論文投稿費、その他。
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