H24年度に引き続き、ラットの骨髄由来の間葉系幹細胞を培養して、これを用いて光増感色素存在下で強光を照射した際の、「III.細胞障害の定量的評価と細胞傷害機構の検討」を行った。hematoporphyrin(HP)では光照射時に細胞の死滅が起こり易いのに対して、rhodamine(RH)では、顕微鏡画像から判断すると、やや死滅が起こりにくい様であったが、生化学的な測定では死滅が確認された。用いる色素により細胞障害の程度や殺細胞効果には違いが見られたと解釈できる。 また、前年度までに検討してきたヒト胎児由来の神経幹・前駆細胞(hNSPC)以外に、ヒトiPS細胞から分化誘導されたhNSPCに関しても、同様に強光照射時の細胞の死滅を測定した。こちらはRHでは細胞の死滅が見られたが、HPでは明瞭には見られなかった。但し、測定条件には技術的な改良の余地が残されたので、現段階ではHPが殺細胞効果を持たない旨、厳密に結論するには至っていない。
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