乳酸菌表層に局在するセルロースに親和性をもつタンパク質としてDnaK、GroEL、GAPDHなどを同定した。組換えDnaKのセルロース、ムチン、キチン、IL1403細胞に対する吸着定数はpH 7.0ではそれぞれ(2.7±0.9)×10^6、(2.5±0.5)×10^5、(3.7±2.2)×10^5、(8.7±3.2)×10^5 M^<-1>だった。ELISAプレートに固定したムチンに対する乳酸菌の接着率はセルロース懸濁液の添加で有意に低下した。pH4.0では、ムチンに対する親和性が1桁高くなることから、乳酸菌が乳酸を生成して自身の周囲のpHを下げれば、より腸管に定着しやすくなると考えられる。
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