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2011 年度 実施状況報告書

特殊細胞分化誘導性ペプチドの新規探索法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23656535
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

和田 章  独立行政法人理化学研究所, 化合物ライブラリー評価研究チーム, 専任研究員 (90443051)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2012-03-31
キーワードペプチド / 細胞機能
研究概要

本研究課題では、細胞内シグナル伝達に関与する様々なタンパク質と相互作用することで目的の細胞機能だけを誘導するペプチド集団(ペプチドライブラリー)を構築すると共に、それらによる細胞変化を短時間かつ自動的に検出するシステムを独自に構築する。そして、本システムを利用することで、次世代医療研究の推進に有用な細胞へと誘導する新規ペプチドを探索・同定して、「ペプチドを利用した細胞機能誘導原理の基礎」を独自に確立することを目指す。当該年度では、細胞膜を能動的に透過し、細胞質もしくは細胞核に局在化する「アルギニンリッチ配列」と、細胞内シグナル伝達に関与する様々なタンパク質群と相互作用するための「ライブラリー配列」を融合したペプチドライブラリーの設計と構築に取り組んだ。さらに、細胞機能の誘導を判別するための「細胞機能検出システム」とペプチドライブラリーを融合することで、細胞機能誘導性ペプチドを探索する原理の構築にも取り組んだ。これらの成果は、国内シンポジウムや研究会などにおいて発表するに至っており、本研究課題の独創性や革新性のアピールができただけでなく、今後の問題点などについても議論することができた。さらに、ペプチドライブラリーの構築法の一部は、国内特許として申請することができた。それゆえ現在は、それらペプチドライブラリーを利用したペプチド探索システムの原理までを特許化することを視野に入れて研究を展開している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当該年度は、平成23年3月に起きた東日本大震災の影響を受け、助成金が減額となる可能性が生じたことから、ペプチドライブラリーの構築に利用するDNAポリメラーゼ・逆転写酵素・無細胞タンパク質合成液などの購入に関わる予算を制限して研究を行った。それゆえ、試験管内におけるペプチドライブラリーの発現と評価に関する部分に遅れが生じた。しかしながら、ペプチドライブラリーの新規設計、細胞機能誘導性ペプチドを探索する独自戦略に関しては、国内シンポジウムや若手研究会などで発表することができただけでなく、ペプチドライブラリーの新規構築に関する一部を国内特許として申請することもできた。今後は、これらの結果を足掛かりとして、更なる成果を挙げられるように研究に取り組む計画である。

今後の研究の推進方策

今後は、平成23年度の研究費の未使用分を利用して、細胞内シグナル伝達に関与する様々なタンパク質群と相互作用するためペプチドライブラリーの試験管内合成とそれらの発現評価を行う。そして、実際に細胞機能誘導性ペプチドの探索が可能であることをモデル実験により証明する。さらに、目的の細胞機能を誘導する新規ペプチドの探索および配列同定を行った後、化学的手法により合成した各種ペプチドの細胞機能誘導性および細胞毒性などを詳細に評価することで、本システムの有用性・汎用性を立証する計画である。

次年度の研究費の使用計画

当該年度は、平成23年3月に起きた東日本大震災の影響を受け、助成金が減額となる可能性が生じたことから、ペプチドライブラリーの構築に利用するDNAポリメラーゼ・逆転写酵素・無細胞タンパク質合成液などの購入に関わる予算を制限して研究を遂行した。それゆえ、次年度は、平成23年度の研究費の未使用分を利用して、ペプチドライブラリーの構築及び、それらペプチドライブラリーの試験管内発現と機能評価を定量的に行うために必要な試薬類(DNAポリメラーゼ・オリゴプライマー・逆転写酵素・制限酵素・無細胞タンパク質合成液・マルチウェルプレート・化学発光試薬・検出用抗体など)の購入を計画している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 学会発表 (2件) 産業財産権 (1件)

  • [学会発表] 細胞機能を誘導する人工ペプチドの創出2012

    • 著者名/発表者名
      和田章
    • 学会等名
      理研 若手研究会 「第2回新規材料創製を目指した合成生物学」
    • 発表場所
      理研 横浜研究所(横浜市)
    • 年月日
      2012年1月27日
  • [学会発表] 新規バイオディスプレイ法の開発によるアプタマー・バイオエンジニアリングの展開2011

    • 著者名/発表者名
      和田章
    • 学会等名
      CRESTシンポジウム:トップダウンとボトムアップの融合によるナノ構造の作製と新機能発現(招待講演)
    • 発表場所
      東京大学(東京都)
    • 年月日
      2011年10月18日
  • [産業財産権] 核酸構築物、核酸-蛋白質複合体、及びその利用2011

    • 発明者名
      和田章 長田裕之
    • 権利者名
      和田章 長田裕之
    • 産業財産権番号
      特許: 特願2011-115166
    • 出願年月日
      2011年05月23日

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公開日: 2013-07-10  

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