研究課題
「はやぶさ」の成功でその有益性が実証されたイオンエンジンではあるが、普及に向けた最大の課題として耐久性の向上が挙げられる。耐久性の向上に必要不可欠な寿命の評価方法を,従来の評価方法に代わり、キャビティリングダウン分光法を用いて,「リアルタイム」で、「定量的」にイオンエンジンの耐久性が評価できるシステムの開発を行った.数値解析に関しては,フラックスチューブ法を用いた寿命評価コードに関して,計算手法を変更し,これまでの10倍速く計算できるように改善した.この改善した寿命評価コードに遺伝アルゴリズムを用いた最適化手法を組み込み,最適化したところ,これまで38000時間だった寿命が87000時間まで延ばせる事が示せた.また,開発したコードを用いて,電極から損耗される原子数を見積もったところ,2.20×10^11 atoms/secであることがわかり, キャビティリングダウン分光法で計測される線密度は6×10^11 atoms/m^2であった.これよりSN比10以上で計測するためには,リングダウン時間が10 μs以上で,リングダウンタイムの揺らぎが1%以下に抑えることが必要なことが分かった.これと並行して,キャビティリングダウン法で用いるキャビティの改良を行った.温度の影響を受けにくくするために,キャビティの構造材を変更し,ミラーの保持部の強度を上げるなどして,揺らぎを低く抑えた.また,高反射ミラーをより反射率の高い物に変更し,それに伴い光検出器もより高感度の検出器に変更するなどの改良を行った.
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)
Rev. Sci. Instrum
巻: 83 ページ: 073106
10.1063/1.4737144
TRANSACTIONS OF THE JAPAN SOCIETY FOR AERONAUTICAL AND SPACE SCIENCES, AEROSPACE TECHNOLOGY JAPAN
巻: 10 ページ: Pb_79-Pb_83
10.2322/tastj.10.Pb_79
http://art.aees.kyushu-u.ac.jp/members/yamamoto/houga/index.html