本研究ではモノシランガスを利用して高分子材料の改質を行い、低地球軌道インフレータブル構造用巨大展開幕を創出することを狙ったものである。 これまでに除害設備つき試験装置を構築する際に、モノシランガスを除害する除害設備の導入に問題があり、研究の継続が難航したが、その後、プロセスガスの選択によりこの問題を回避することができ、研究を継続することができた。 新しいプロセスガスによりポリイミドフィルムの表面処理を実行し、表面分析によりその状態を確認した。この結果、表面に耐原子状酸素性が向上したとみられる化学結合状態の変化が認められた。深度分布を確認するため、(表面の化学結合状態が破壊されるため、必ずしも正確な状態分析が可能ではないが)アルゴンイオンエッチングにより深度方向の化学結合状態を確認したところ、ポリイミドフィルムの種類によって、耐原子状酸素性付与の状況が異なることが明らかとなった。
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