研究課題/領域番号 |
23656545
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高木 健 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (90183433)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 船舶設計法 / 船舶構造強度 / 設計法 / GHG削減 / 体系化 |
研究概要 |
近年、安全性や環境適合性に関する要求の高まりから、船舶や海洋構造物の設計における基準や規則の要求範囲は大きく広がりつつある。また、従来の経験則に基づく仕様要求から機能要求へと移行しつつある。この背景として、船舶や海洋構造物の機能の定量評価技術の進展がある。本研究では上記の状況をふまえ、機能要件を指向した合理的設計法の体系化、即ち、今後、数十年を掛けて進めるべき、合理的設計法確立に必要な技術のロードマップ、技術マップを作ることを目的として本年度は以下の研究を実施した。 まず、機能要件を志向した合理的設計法の体系化に向けて国際的に重要と認知され得る機能要件とまたそれを指向した合理的設計法について、様々な観点から(1)構造基準や規則に係わる現状の調査と技術レベルの判定(2)運航に係わる設計要件の調査(3)経済性や環境適合性に係わる実態の調査と将来予測調査検討し、体系化を試みた。上記の体系化に沿って、設計法の実現に向けて必要な具体的要素技術として(1)新型船型(GHG削減圧力により出現すると予想される大型船型等)出現に備えた設計法、特に大型化に伴い問題になると予測される流力弾性現象など。(2)他分野で進行中の気象・海象予測技術との整合性の確保、特にフリーク波など、近年の海洋波分野の最新成果と波浪統計をベースとした従来法との関係など。(3)ライフタイムでの、GHG削減、経済性向上を目指した設計、特に、経済的運航なども含めたライフタイムでの経済性向上など。これについて調査検討を実施した。以上の調査検討に基づき、合理的設計法の体系化の素案を作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は研究計画通り、初年度に行う調査や検討を実施した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は調査検討結果に基づき、合理的設計法の体系化の素案を作成した。来年度はこの素案を基に、専門家間での討議を行い、さらに体系化を精密化していく。また、流力弾性問題に関する国際会議を開催し、そこでの討議内容も体系化に盛り込む予定である。現在のところ本研究は予定どおり進展しており、研究計画を変更する必要はない。
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次年度の研究費の使用計画 |
23年度に行った、機能要件を指向した合理的設計法の体系化に基づいて、必要となる技術のロードマップ、技術マップを作成する。また、23年度に焦点を当てた3項目の具体的技術についてはさらなる検討を実施する。これらの作業に伴い、調査旅費、消耗品費、謝金、印刷費、会議参加費を使用する。第6回Hydroelasticity in Marine Technology 2012を開催し、国際的に著名な研究者を集める。このために必要な消耗品費、謝金、会議費を使用する。
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