研究課題
本研究の最終目的は,心電図などの生理的反応および顔の表情から乗組員の体調や集中力低下などを判断して警告を発したり,乗客の乗り心地を客観的に捉えて,安全・安心・快適な海上交通機関の実現を目指すものである。本研究では,非侵襲的な生理計測が実現できる表情,心電図,呼吸に着目し,ストレス状態を定量的に推定・評価することのできる「ヒューマン・モニタリングシステム」の構築を試みた。前年度に構築した「自律型表情モニタリングシステム」の有効性・妥当性の検証を行った。本システムは,複数台のネットワークカメラと赤外線カメラ(Microsoft社 KINECTセンサー)から構成され,被験者の顔の3次元座標を認識してカメラの向きを追従させることができる。また,顔の表情を左右から撮影することでステレオ画像を得ることができ,後方のカメラからは周囲の状況を把握できるようにしている。本システムを用いて,大阪府立大学・植物工場研究センターのユニバーサルデザイン室にて車いす使用者の表情モニタリングを行い,作業中の表情をモニタリングした結果,被験者が実験室内を動き回っても表情を正しく追従できることを確認するとともに,実用可能性を実証することができた。本研究課題で開発をしたMEMS技術による小型生理計測装置を併せることによって,被験者の生理的・心理的状態をより正確に把握することが可能となり,ヒューマン・モニタリングシステムを構築できたと考えている。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)
Procs. of IEEE International Conference on Systems, Man, and Cybernetics (IEEE SMC 2013)
巻: (CD-ROM) ページ: 3436-3440
Procs. of OMAE2013
巻: OMAE2013-10504 ページ: 1-6