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2012 年度 実績報告書

金属複合化合物を経由する新規な白金族金属の再資源化プロセスの確立

研究課題

研究課題/領域番号 23656566
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

粕谷 亮  独立行政法人産業技術総合研究所, サステナブルマテリアル研究部門, 研究員 (50509734)

キーワード白金族金属 / アルカリ金属 / 複合酸化物 / 塩酸 / 溶解特性
研究概要

白金族金属(PGM)の回収は湿式法が一般的であり、この方法は溶解工程および分離精製工程を含む。溶解工程では、PGMを酸化、溶解するために塩素ガスを通気した塩酸、または王水等の酸化剤を含む酸が用いられている。
しかし、PGMに対して有効な酸化剤は腐食性および有毒性が非常に高い問題がある。そのため現在では、腐食性・有毒性が高い酸化剤を用いることなくPGMを溶解するプロセスが望まれている。PGMを前処理して複合酸化物にする手法が提案されているが、複合酸化物を得るために金属蒸気を用いるなどの複雑な工程、あるいは高温での加熱処理が必要という問題があった。
本研究では、PGM含有複合酸化物を簡便、かつ直接的に得る方法を検討し、その塩酸に対する溶解特性を評価した。この結果、PGMとアルカリ金属塩を混合、加熱するという簡便な手法によりPGM含有複合酸化物が調製できることを見いだした。特に白金とリチウムの複合酸化物であるLi2PtO3は600℃という低温で得られ、塩酸に対して高い溶解性を示すことがわかった。そこで、Li2PtO3の溶解特性を詳細に調べた。
最初にLi2PtO3の調製条件と溶解特性との関係を調べるため、600-800℃で得たLi2PtO3を塩酸に溶解した。この結果、焼成温度が低くなるほど塩酸に対する溶解特性が向上することがわかった。これは、焼成温度が低くなるほどLi2PtO3の粒子径、または結晶子径が減少し、塩酸との接触面積が増加したためと考えられる。次に600℃で得たLi2PtO3の溶解温度依存性を調べるため、濃塩酸を用いて40-80℃の温度で9時間溶解処理を行った。この結果、溶解温度が高くなると白金溶解率が増加し、溶解温度を80℃とした場合では、Li2PtO3はほぼ完全に溶解できることがわかった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Preparation of Li2PtO3 and its dissolution properties in hydrochloric acid2013

    • 著者名/発表者名
      Ryo KASUYA
    • 雑誌名

      Journal of the Ceramic Society of Japan

      巻: 121 ページ: 261-264

    • DOI

      10.2109/jcersj2.121.261

    • 査読あり
  • [学会発表] Li2PtO3の調製と酸に対する溶解特性2013

    • 著者名/発表者名
      粕谷 亮
    • 学会等名
      資源・素材学会 平成25年度春季大会
    • 発表場所
      千葉工業大学(千葉県津田沼市)
    • 年月日
      20130328-20130330
  • [学会発表] 塩酸に対して高い溶解性を示すLi2PtO3の調製2013

    • 著者名/発表者名
      粕谷 亮
    • 学会等名
      日本セラミックス協会 2013年年会
    • 発表場所
      東京工業大学(東京都目黒区)
    • 年月日
      20130317-20130319

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公開日: 2014-07-24  

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