研究課題
本研究では、ミクロンCT による形態観察データを元にした照射位置決定が可能なシステムの構築を図った。開発したシステムは、マイクロビームの軸と垂直に回転ステージを配置したものである。これまでのマイクロビーム形成システムの分解能は1ミクロン以下を達成していたが、細胞照射を考えた場合、これでは不十分であった。さらに、CTにおいてはビーム強度が十分でないため、ビーム径を2ミクロン程度にしてビーム強度を稼いでいたが、そのためミクロンCTの分解能が5ミクロン程度にまで制限されていた。そこでビーム強度の増大とそのため、加速器電圧の安定度の向上をさらに進めると共に照準システムの開発を行った。その結果、電圧安定度は低周波成分で⊿E/E = 2.0×10-5,高周波成分で⊿E/E = 9.3×10-5へと大幅に向上した。それに伴いビーム輝度は以前の約1.3倍に向上し、最大ブライトネスは2.31 pA/μm2/mrad2/MeVを達成した。またビーム輝度のピークが発散角0.07mradの場合であるため、発散角を抑える必要のあるトリプレットシステムに対して最適の加速器システムになったと考えられる。ビーム径測定の結果、トリプレットシステムにおいては球面収差の影響が大きいことが判明した。そのため、発散角を抑える必要があるが、加速器システムの最適化によりビーム量を大きく減ずることなくビームの縮小を図ることができ、1マイクロメートルの分解能で250pA程度の大電流ビームを得ることが可能となった。試料の照準と照射するために、サンプルステージの改良を行い、ビーム軸に対して直角にサンプルを配置できるようにサンプルステージの改良を行った。同時にサンプルの回転軸もビーム軸に対し直角にすることができるようになった。これによりCTによる3次元画像の取得と照準が行えるようになった。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (16件)
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research
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International Journal of PIXE
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http://www.worldscientific.com/loi/ijpixe